2011 Fiscal Year Annual Research Report
サブピクセルシフト観測画像列の超解像再構成とそのリモートセンシングへの応用
Project/Area Number |
21510005
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
伊藤 直史 群馬大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20223159)
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Keywords | リモートセンシング / 計測工学 / 地球観測 / サブピクセルシフト多重観測画像 / 超解像再構成 / 熱赤外画像 |
Research Abstract |
1.目的: リモートセンシングによる熱赤外画像や受動型マイクロ波画像の空間分解能の向上のためにサブピクセルシフト多重観測画像を取得し、これに超解像再構成手法を適用する。サブピクセルシフト多重観測画像の取得中は対象の状態が不変である事が必要で、そのためにはリモートセンシング・センサシステムでの多重観測化が必要である。本研究では、このためのセンサシステムと効果的な超解像再構成法を開発する。 2.本年度の成果: (1)これまで開発した超解像再構成法の実証実験として、昨年度に引き続き熱電形熱画像センサ(チノー製TP-L0225EN)で得られる熱赤外画像の超解像化を試みた。この種の熱画像センサは低コストで、設備の温度異常の監視等に多数が利用されるようになっているが、画素数はまだ少ない。今回用いたセンサは47×48画素である。点光源を計測対象とし、X軸方向およびY軸方向に直動ステージでそれぞれ1/10画素単位でシフトさせながら撮像した画像列から超解像再構成を行い、元の画像に比べて点光源のピークが鋭くなり、解像度が向上した結果を得た。熱画像には多くの雑音が含まれ、超解像化の際に影響を与えるが、原画像を平均化し雑音を低減することにより回避できる。また、画素毎の感度の不均一性の補正も効果がある。これにより、実用的なレベルで高分解能化ができる目途が得られた。 (2)もう一つの実証実験として、マイクロホンの指向特性の超解像化を行った。Xバンドのマイクロ波と波長がほぼ同じの可聴域の音波を用いることにより、マイクロ波画像の超解像化に関する知見を得る。マイクロホンの角度-感度特性を計測するシステムを構築した。複数の音源を計測対象とし、マイクロホンを回転させながら得た音響データを、予め計測した角度-感度特性を用いてデコンボリューションを行うことにより高解像度化し、音源の方向を正確に推定することができた。同様の原理はマイクロ波画像についても適用可能と考えている。
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