2009 Fiscal Year Annual Research Report
ハニカム膜フィルタによる空気中浮遊微生物センシング技術の開発
Project/Area Number |
21510020
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
野上 敦嗣 The University of Kitakyushu, 国際環境工学部, 教授 (70347665)
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Keywords | 環境動態解析 / 環境計測 / バイオエアロゾル / 微粒子フィルタ / ハニカム膜 |
Research Abstract |
フォトリソグラフィ法により孔径パターン1.0μmおよび1.5μmSiハニカム膜フィルタを作製・評価した。機械的強度を調べるためフィルタ部の膜厚は3μm、5μmの2種類とした。いずれの膜厚でも1μm径の貫通孔の製作に成功した。ハニカム膜フィルタ部は6mmφで開孔面積の比率は70%に達する。フィルタ部と支持体を一体成形することで構造強度を担保した。10L/minで吸気速度を高めると膜厚3μmでは破損することがあったが、5μm厚では全く問題なかった。ポリマーハニカム膜と違い完全なハニカム配列孔を有し、表面は全面に亘って平坦で撓むことがないため、微粒子捕捉場所の偏りがなく、被写体深度の浅い光学顕微鏡でも広視野で焦点を合わせることができる。Siフィルタは他に支持体を必要とせず単独で使用できるので圧損が小さく、吸気速度の低下は10%と、ポリマーハニカム膜の半分である。導電性を有するので、蒸着処理せずにそのままSEM分析ができた。 バイオエアロゾルのフィールド捕集実験をオフィスビルで実施し、微小すぎてポリマーハニカム膜では捕捉困難であった大きさ2μmの真菌胞子の捕集に成功した。Siハニカム膜フィルタは開孔面積率が大きいため透過光による細菌類の光学顕微鏡も容易であった。 活性細菌を判別するため光学顕微鏡でのハイビジョン動画撮影システムを構築し、活性細菌の活動のデジタル動画撮影に成功した。また、動体検出アルゴリズムを適用することで、活性細菌の自動抽出に成功した。
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