2011 Fiscal Year Annual Research Report
乾性沈着により東シナ海域に供給される鉱物粒子の性状及びフラックス
Project/Area Number |
21510021
|
Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
張 代洲 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (90322726)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 実 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (40131916)
|
Keywords | 環境分析 / 大気現象 / アジア黄砂 / 乾性沈着 |
Research Abstract |
観測の実施について: (1)平成23年4月から6月末まで熊本県天草半島の西海岸大江町民広場と中国東部の沿岸都市青島市(中国海洋大学構内)において黄砂の乾性沈着サンプルの採集と、浮遊粒子状物質濃度の計測を行った。 (2)平成23年3月に中国海洋大学の海洋観測船が東シナ海において海洋調査を実施する際に、海上での乾性沈着サンプルの採集と浮遊粒子状物質濃度の計測を行った。 (3)平成24年3月に熊本県天草半島の西海岸大江町民広場と中国東部の沿岸都市青島市(中国海洋大学構内)において黄砂の乾性沈着サンプルの採集と、浮遊粒子状物質濃度の計測を行った。 サンプルの分析とデータの検討について: 平成23年春のサンプルの分析は終了し、平成24年春のサンプルは現在分析中である。データの解析及び粒子状物質濃度と気象状況を検討・考察している。新しい成果は次のとおりである (1)青島において乾性沈着した黄砂粒子は、浮遊している粒子より平均粒径(大きさ)がかなり大きいことが確認された。また、沈着した鉱物粒子のほとんどは変質していなかった。 (2)東シナ海海上の乾性沈着した鉱物粒子中において、海塩と混合した粒子は多い時も少ない時もあり、これは気団の移動と関連していると考えられる。 (3)天草西海岸で観測された黄砂プルームに関して、黄砂粒子に相当する粒径範囲において、青島と比べて濃度がほぼ同レベルであるケースが見出された。原因は黄砂粒子が海塩などと結合した影響によるものだと考えられる。 学術発表について: 本研究の研究成果を元にして取りまとめた学術論文は、既に国際専門学術誌に2篇を発表し、1篇は発表受理されている。また、一部分の研究成果は他の2篇の論文に使用された。投稿中の論文が1篇ある。また、講演会及び地域連携講義を通して、本研究の研究成果を発信した。
|