2011 Fiscal Year Annual Research Report
北西太平洋における海底堆積物中の珪酸塩酸素同位体比マッピング
Project/Area Number |
21510026
|
Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
岡崎 裕典 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, 招聘主任研究員 (80426288)
|
Keywords | 珪酸塩 / 酸素同位体比 / 北太平洋 / 海底堆積物 |
Research Abstract |
本研究の目的は、炭酸塩が保存されないため定量的な古海洋環境復元が難しい海域において、珪酸塩の酸素同位体比を指標とし、面的なマッピングを行うことで定量的な古海洋環境復元を行うための基盤を築くことである。本年度は、引き続き分析システムの改良を行いつつ、海底堆積物試料から珪酸塩(珪藻殻、放散虫骨格、石英粒子)を拾い出し、酸素同位体比測定を行った。本研究の一環として参加していた国際的な珪酸塩酸素同位体比測定の相互比較プログラムの成果が原著論文として出版された。 分析装置・手法については、グラッシーカーボン炉由来のブランクが持つ酸素同位体比の補正式を完成させ、SiO_2換算で最低40μgの試料量があれば精度よく(~±0.2%)珪酸塩の酸素同位体比測定を行えるようになった。これにより従来法と同等の精度の測定を1/20の試料量で実現した。海底堆積物試料測定については、珪藻軟泥試料から珪藻殻と大型放散虫骨格を拾い出し、酸素同位体比測定を行った。放散虫単一種の酸素同位体比測定を世界で初めて実現した。また、海底堆積物中の石英粒子についても酸素同位体比測定を行い、海氷や風成塵により運搬されてくる粒子の起源推定のためのデータを収集した。ただし、本システムで使用している高周波誘導加熱装置は電力消費が大きく、精度良い測定のためには1週間程度連続稼働させる必要があるため、震災とその後の電力不足の影響により4月から9月まで使用を自粛した。その結果、年度内に予定していた分析をすべて完了させることはできなかった。
|
Research Products
(2 results)