2011 Fiscal Year Annual Research Report
海岸砂丘地における生態系サービスの現状とその回復に資する利用方法の案出
Project/Area Number |
21510045
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
永松 大 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (20353790)
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Keywords | 海浜植物 / 環境分析 / 生態系修復 |
Research Abstract |
国内各地に発達していた海岸砂丘の多くは戦後,飛砂防備保安林の整備や農地化,埋め立て,その他開発などにより変容してきた。本研究では,第二次大戦後に改変され,半自然状態にあるかつての海岸砂丘地を対象に海浜生態系の現状を明らかにする。各地で高まりつつある海岸砂丘地の生物多様性,生態系サービス機能の保全を編み込みながら,利用形態の変更による向上可能性の予測を行い,海浜植生の保全と人間の利用が両立可能な管理方法について検討をおこなう。 23年度はa.海岸砂丘地の歴史的変遷,b.改変された砂丘地における海浜植生の現状,c.異なる土地利用がおこなれた場所における海浜植生のモデル化についてとりまとめ,国際学会で成果発表を行った。また,d.海岸植生が持つ生態系サービスの類型化についても学会発表をおこなった。 a,b,cについては,鳥取砂丘内で60年前までは同様の状態だった場所で,観光地として植生管理が行われている部分と,研究用途のため自然状態であった部分の植生比較をおこない,両者の植生構造が大きく異なっていることを明らかにした。海浜植生は人間活動の影響により大きく影響を受けており,海浜植生のもつ生態系サービス機能の維持について考える上で非常に興味深い。d.については,東日本大震災を受けて,海浜植生が持つ生態系サービスの類型化と復興に果たすべき役割を研究者で持ち寄り,整理した発表を行った。そのほか,本研究の成果については,国内のいくつかの研究会で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査データの蓄積は,おおむね順調にすすんでいるが,データの解析と考察,とりまとめがやや遅れぎみである。業務量が多く,研究を推進するためのマンパワーが不足している。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度でもあり,データの解析と考察,とりまとめに重点を置いて研究を推進する。海岸砂丘地g持つ生態系サービス機能の保全について,学会発表や論文掲載の面で成果の発表につとめ,望ましい人間のかかわり方について情報発信をすすめ,当初計画の目標達成につながるよう最大限の努力をおこなう。
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