2011 Fiscal Year Annual Research Report
生活行動類型別エネルギー消費・環境負荷排出構造モデルに関する研究
Project/Area Number |
21510052
|
Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
島田 洋子 摂南大学, 理工学部, 准教授 (00314237)
|
Keywords | 生活時間 / 家庭内エネルギー消費 / 環境負荷排出 / 生活行動 / 室内空気汚染 / PM2.5 / アジア |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に行った個人分類別生活時間調査データを用いたアジア諸国の家庭内でのエネルギー消費に伴う室内大気汚染物質排出の影響評価に関する研究に引き続き取り組んだ。昨年の研究で開発した、社会を構成する個人の多様性を反映したコホートと家庭内のエネルギー消費や環境負荷排出構造を反映した生活行動分類によってクロス集計された生活時間データを作成する統計的手法を改善して、室内大気汚染物質のうち、PM2.5に注目し、アジア各国の室内暴露評価を行った研究成果を英文誌(Science of the Total Environment)に発表した。また、室内大気汚染物質への暴露が特に懸念される子どもについての生活時間に関する情報が少ないことから、子供の福祉に関する指標を研究テーマとする国際学会であるISCI(International Society for Child Indicators)の年次大会に参加し、研究について発表するとともに、情報収集を行った。さらに、昨年に行った研究から、発展途上国において人々の生活は都市部と農村部で大きく異なることから、室内空気汚染による暴露評価を都市部と農村部とに区別して評価することが重要であることが明らかになったことから、まず、アジア諸国の都市部と農村部における人々の生活(時間の使い方や燃料の使い方など)に関する統計データの収集を行い、特に時間と燃料消費量に関する詳細な統計データを収集することができた中国を対象として、中国各地域の都市と農村における室内環境中PM2.5暴露評価を行い、その成果を学会で発表した後、論文にまとめた。この研究で評価の信頼性を向上させるための課題(家庭内燃料使用の詳細な情報や地域による人々の生活の違い等)について、データや文献を収集し、中国以外のアジア各国に対して分析を行う準備をした。また、日本についても生活時間調査データを補完するために必要な子供の生活時間データを収集し、日本を含めたアジア各国における家庭における環境負荷排出構造のモデルを完成させる士台をつくった。
|
Research Products
(5 results)