2010 Fiscal Year Annual Research Report
放射線DNA損傷への新規防護作用:上皮―間質細胞間傍分泌を介した新規因子の同定
Project/Area Number |
21510057
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
SAENKO VladImIr 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30343346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 正洋 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50284683)
光武 範吏 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50404215)
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Keywords | 放射線 / DNA損傷 / 上皮/間質細胞間相互作用 / パラクライン因子 |
Research Abstract |
本研究は、上皮細胞-間質細胞間に存在する何らかの相互作用によってもたらされる放射線照射後のDNA損傷軽減を引き起こす液性因子を同定し、そのメカニズムを解明するために計画されたものである。昨年度までに施行された実験の結果、8種類のサイトカインをその候補として同定したが、本年度はそれら候補因子についての実験を引き続き行った。得られた結果は以下の通りである。 1)候補となった全ての8種類の因子を単独で使用した。具体的には、放射線照射前に候補因子を細胞の培地に加え、その効果(放射線によるDNA損傷の低減効果)を観察した。検討した8種類全ての因子で、単独では効果を現さなかった。目的の効果を発揮するためには、いくつかの因子の組み合わせが必要である可能性が考えられ、現在その検討中である。 2)バセドウ病患者より手術時に摘出された組織を用いて単離された甲状腺初代培養細胞を用いた。この甲状腺初代培養細胞の培養上清でBJ線維芽細胞を処理し、放射線照射を行ったが、DNA損傷の低減は観察されなかった。 3)逆に、放射線により処理し老化させたBJ線維芽細胞の培養上清で甲状腺初代培養細胞を処理したが、こちらも効果は認められなかった。 4)現在、昨年度に施行したAffymetrixの遺伝子発現アレイによって得られたデータとGene ontologyアノテーションを用いた解析を用い、サイトカイン以外の分泌因子候補の同定を試みている。
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Research Products
(23 results)