2011 Fiscal Year Annual Research Report
放射線DNA損傷への新規防護作用:上皮-間質細胞間傍分泌を介した新規因子の同定
Project/Area Number |
21510057
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
VLADIMIR Saenko 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30343346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 正洋 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50284683)
光武 範吏 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50404215)
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Keywords | 放射線 / DNA損傷 / 上皮/間質細胞間相互作用 / パラクライン因子 |
Research Abstract |
昨年度までの研究によりDNA損傷軽減を引き起こす可能性のもっとも高い8種類の液性因子(IL-8,gp130 soluble fragment,FGF-4,IL-6,HGETGF-betal,BMP-5,IGF)が同定されている。これらすべての因子は細胞培地への添加実験によりテストされた。放射線大量照射後のヒト甲状腺細胞およびBJ線維芽細胞においては、どの因子も放射線によるDNA損傷の度合いに影響を与えなかった。 本年度の研究においては、以下の結果が得られた。 1.これらのサイトカインは、すべての組み合わせのペアでテストされた。どの組み合わせのペアも、DNA損傷を多大に軽減させなかった。 2.他の細胞因子の影響をチェックするために、氷上超音波処理および遠心分離により全細胞抽出物を用意した。この細胞抽出物は、異なるカットオフ分子量をもつ被膜を用い透析され、異なる希釈率で培地に添加された後に放射線照射された。透析されたBJ細胞抽出物が添加された甲状腺初代培養細胞のDNA損傷は照射放射線量に応じて軽減する傾向は見られたものの、リン酸化ヒストンH2AXフォーカス形成では、その傾向は十分に明らかではなかった。 3.細胞培地への添加実験を、DNAコメットをエンドポイントとして用いて再び行った。同様の傾向が観察されたが、統計的に有意なものではなかった。透析後の低いタンパク質濃度およびプロテアーゼやホスファターゼ阻害因子などの添加物が保護効果を低減させた可能性もある。
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Research Products
(17 results)