2011 Fiscal Year Annual Research Report
Kuタンパク質のDNA二本鎖切断末端の認識・結合機構の解析
Project/Area Number |
21510063
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
藤本 浩文 国立感染症研究所, 放射能管理室, 主任研究官 (60373396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 学 独立行政法人放射線医学総合研究所, 放射線障害研究グループ, 主任研究員 (70280740)
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Keywords | DNA二本鎖切断 / Kuタンパク質 / DNA損傷認識 / 分子動力学シミュレーション |
Research Abstract |
Kuタンパク質には結晶構造解析では位置が特定できない領域が存在する。このうち、Kuタンパク質を構成する2つのサブユニットの1つKu70のC末端領域のDNA結合過程における役割を解析する為に、Ku70のN末端側33残基,分子構造が既知のSAPドメインを含むC末端側71残基を補完し、40bpの2本鎖DNA分子を挿入したKu-DNA複合体モデルを設計した。DNAに対するSAPドメインの配位位置、およびN末端側のペプチド鎖の初期構造を変化させ、ナノ秒オーダーの分子動力学シミュレーションを繰り返したところ、これまで特定の構造をとらないと予想されていたSAPドメインと結晶構造が判明しているKu70の主要領域とを繋ぐリンカー部のリジン残基が集中した領域(K_<539,542,544>)が、DNAと強く相互作用することが判明した。SAPドメインは、DNAと結合していない状態ではKu80と相互作用し結晶構造中の位置が特定されているにもかかわらず、Kuタンパク質がDNAと結合すると位置が特定できなくなることが判明している。今回行ったシミュレーションの結果は、Ku70のC末端側がDNAと結合する際にKuの中心部から離れた位置でDNAと相互作用するように移動した可能性を示唆している。また同定したリンカー領域中のDNA作用部位は同時にKu80のアスパラギン酸残基(D_<369,370>)とも相互作用することも予想された。現在、組換えタンパク質を用いた実験の結果とあわせて、DNA分子の認識・結合機能における本部位の役割を検証している。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] A possible overestimation of the effect of acetylation on lysine residues in KQ mutant analysis2012
Author(s)
Hirofumi Fujimoto, Mariko Higuchi, Manabu Koike, Hirotaka Ode, Miroslav Pinak, Juraj Kotulic Bunta, Toshiyuki Nemoto, Takashi Sakudoh, Naoko Honda, Hideaki Maekawa, Kimiaki Saito, Kozo Tsuchida
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Journal Title
J. Comput. Chem
Volume: 33
Pages: 239-246
DOI
Peer Reviewed
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