2010 Fiscal Year Annual Research Report
第二相解毒酵素群の発現を誘導するNrf2-Maf転写因子複合体の三次元構造解析
Project/Area Number |
21510066
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
黒河 博文 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80359546)
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Keywords | タンパク質 / 結晶構造解析 / 毒性化学物質 / 酸化ストレス / Keapl |
Research Abstract |
Nrf2転写因子はMaf転写因子と二量体を形成し,毒性化学物質や酸化ストレス(環境ストレス)に応答して第二相解毒酵素群の発現誘導を統一的に制御する.その結果,毒性化学物質は速やかに消去される.Nrf2,Mafは塩基性ロイシンジッパー(bZip)転写調節因子である.結合DNA配列であるAREはTGACNNNGCという配列を有し,これは他のbZip転写因子が認識する配列とは外側にGC配列を有している点が明らかに異なる。また、Nrf2は単独では二量体を形成せず,DNA結合能も示さない.Mafはホモ二量体としてDNA結合能を有する一方で,Nrf2とヘテロ二量体も形成する。このヘテロ二量体形成が転写活性化に必須である。昨年度、申請者らはMafホモ二量体とDNA(ARE配列と類似したMARE配列)との複合体の結晶構造を明らかとし、Nrf2-Mafが結合するARE配列中のGC配列をMaf転写因子がユニークな方法で認識していることを明らかとした。 引き続き、Nrf2DNA結合領域のタンパク質発現と精製を行った。DNA結合領域を含む14種類のNrf2末端欠損変異体の発現系を構築し、発現実験を行ったところ、CNCドメインとDNA結合領域のみを含むフラグメントは可溶性の発現を確認できた。しかし、ロイシンジッパー領域を含んだNrf2フラグメントは不溶性であった。そこで、粗精製段階でパートナー因子であるMaf転写因子との複合体形成を試みたところ可溶化することができ、精製することができた。
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