2011 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマス資源の効率的低温微生物変換システム創出のための技術基盤の確立
Project/Area Number |
21510078
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
上木 勝司 山形大学, 農学部, 客員教授 (10111337)
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Keywords | 廃棄物再資源化 / 省エネルギー / 低温保温バイオマス分解 / 低温適応嫌気性微生物 |
Research Abstract |
本研究では、低温(15-20℃)下で効率的に稼働する未利用植物バイオマスの有用物質への微生物変換処理システムの創出に向けた基礎的な検討を行った。 平成23年度は先ず、 1.10℃、18℃/20℃及び30℃保温の各植物バイオマス分解集積培養系の多糖資化能を調べ、セルロース以外にも、キシランやペクチンなどの資化能を確認した。 2.18℃保温でもメタン生成する30℃保温集積培養系と、メタンは生成しないが、植物バイオマス分解能の強い10℃保温集積培養系を組み合わせて接種して培養するなど、異なる培養系の微生物群集を組み合わせて、低温条件下での植物バイオマス分解能とメタン生成能のバランス良い強化を図ったが、今のところ、実現できていない。 3.各集積培養系の微生物群集の構造を、16SrRNA遺伝子V3領域のPCR増幅と変性剤濃度勾配電気泳動(DGGE)で、分子系統学的に解析し、比較した。保温温度の異なる培養系ではDGGEのバンドプロフィルが全く異なり、保温温度により細菌群集の構成が大きく変わることを確認した。10℃保温と18℃/20℃保温の培養系の組合せ培養では主要バンドの70%以上が元の培養系と共通で、培養系の組合せによる元の培養系の特徴を合わせ持つ新たな培養系の構築が可能と考えられた。なお、DGGEバンドプロフィルの違いから、30℃保温の2系統の集積培養系にはそれぞれ異なるセルロース分解細菌が集積されていることが示唆された。 4.3菌株の5℃保温MPN培養分離株の生理学的並びに化学分類学的特徴を詳細に調べた結果、それぞれがClostridium属の新規系統の低温適応細菌を代表している可能性が示された。また、異なった系統の集積培養系から新たに5菌株のセルロース分解細菌を分離し、生理的性質を調べた。5菌株はキシランを資化したが、菌株によってペクチンなどの資化能が異なった。
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Research Products
(2 results)