2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21510083
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
河邊 伸二 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (20252314)
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Keywords | 電磁波 / マイクロ波 / 電波吸収 / リサイクル / プラスチック |
Research Abstract |
本研究は、電波吸収リサイクルボードを実際の建築物の壁面に使用するために、現状の地上デジタル放送の電波の実態を知ることにある。地上デジタル放送の電波を受信する際に、受信アンテナの高さとデジタルタワーからの距離の違いによる影響、さらに市街地・都市内における電波の都市減衰の影響を測定することにより、建築空間における電波の遮蔽・反射・回折の特性を知るとともに、さまざまな建築環境と電波の減衰量の関係について考察をした。 本研究の成果は、建築空間における地上デジタル放送の電波の電界強度レベルと受信状態の基礎的データとなり、建築物と電波の良好な共存を図ることを目的とする。 本研究の結論は以下である。 (1)デジタルタワーからの距離が離れると電界強度レベルは減少し、さらに電波の伝搬経路上の建物や地形などの周囲の環壌によって異なる都市減衰を示し、電界強度レベルは小さくなる。 (2)受信高さが高くなるにつれて建物の影響が少なくなるため、都市減衰は小さくなり、式(3)による自由空間の計算値より減衰量Lの10~20dB程度小さくなる。 (3)電波の回折により建物からの距離や電波の到来方向との位置関係が電界強度レベルに影響を与える。 (4)都市部では建物の規模が大きく、密集が高いため都市減衰が大きくなり、自由空間の計算値より減衰量Lの40~60dB程度小さくなる。 地上デジタル放送の電波伝搬においては、地形や建物の影響が複雑であり、理論的に正確な値を知ることは困難である。実際の建築空間において地上デジタル放送の受信状態を測定したデータは重要であり、電波吸収リサイクルボードの減衰量の推移を計算する回線設計において役立つ。
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Research Products
(5 results)