2011 Fiscal Year Annual Research Report
低分子ポリ乳酸を用いた低コスト型新規生物学的脱窒プロセスの開発
Project/Area Number |
21510084
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
山田 剛史 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90533422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平石 明 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40283486)
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Keywords | ポリ乳酸 / 脱窒細菌 / 固相脱窒法 / 未利用バイオマス / 電子供与体 / 環境浄化 |
Research Abstract |
ポリ(L-乳酸)(PLLA)廃材は、生物学的脱窒プロセスにおいて不足しがちな電子供与体を簡便・低コストで供給する外部電子供給材として利用できる。そのため、脱窒プロセス内におけるPLLAの非生物学的な加水分解を促進する必要がある。昨年度までの研究において、PLLAの重量平均分子量10000および結晶化度40%の改質が好適あることを明らかにした。しかしながら、PLLAの添加量を調節したプロセスにおける硝酸除去特性や脱窒細菌群集に与える影響については分かっていない。そこで本年度は、反応溶液あたり1%、3%および5%のPLLAを添加した脱窒反応槽の硝酸除去特性を把握するとともに、亜硝酸還元酵素遺伝子nirSおよびnirKから転写されるmRNAを標的とした高活性脱窒細菌群集の遷移と多様性を評価した。約2ヶ月間に渡って、各脱窒反応槽を運転した結果、3%PLLA添加脱窒反応槽において最大の硝酸除去速度を得た。脱窒反応槽における高活性脱窒細菌の質的・量的分布を明らかにするために、各反応槽より経時的に採取した汚泥から全RNAを抽出し、nirKおよびmRNAを標的とした定量PCR、T-RFLP法を基にした多次元尺度法、およびクローンライブラリー解析を行った。その結果、全てのPLLA反応槽において、nirSおよびnirKの転写産物が確認された。1%および3%添加PLLA反応槽では、脱窒細菌の遷移および多様性は類似していたが、5%添加PLLA反応槽では大きく異なる事が示された。3%PLLA添加反応槽内脱窒汚泥におけるクローンライブラリー解析を行った結果、nirS型脱窒細菌として、コマモナス属やタウエラ属細菌が優占化していた。さらに、アルカリジェネス属やカステルラニエラ属細菌なども、nirK型脱窒細菌として反応槽内で主たる脱窒反応を行っていることが明らかとなった。
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