2009 Fiscal Year Annual Research Report
重金属土壌汚染浄化のための新バイオレメディエーション戦略
Project/Area Number |
21510091
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
杉山 友康 Tokyo University of Technology, 応用生物学部, 准教授 (30367198)
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Keywords | 六価クロム / 微生物 / バイオレメディエーション / 活性化剤 / セラミック / 突然変異 |
Research Abstract |
金属元素によって汚染された土壌・水環境を、環境に優しく修復する技術、すなわち重金属土壌汚染を安価に効率的に措置できる技術が求められている。そこで、われわれの発見した新規な放線菌株ST13を技術開発のモデルとして使用し、六価クロム汚染土壌の浄化を、低コストかつ高効率にするための土壌での活性制御法を検討した。 その一つとして多孔質セラミックのような粒子表面に細菌をあらかじめ付着させて安定化し、これを土壌に混合して汚染浄化する方法、さらには、細菌の汚染浄化能を促進するための種々の有機物や無機物添加の効果を検討することとした。まず最初に、セラミックへの細菌の付着性を評価するための方法として、セラミック表面に付着した細菌を蛍光色素で染色して画像解析する手法を確立した。この方法で素材の異なる数種類のセラミックを評価し、素材によって細菌の付着性が異なることを見出した。この方法は細菌の付着性の良いセラミックを選択する指標として利用可能と考えられる。次に細菌による六価クロム浄化能を活性化する物質を探索して、黒糖溶液に強い活性化能があることを発見した。その活性化には黒糖の濃度依存性がみられること、さらには産地の異なるものでも有効なことを見出した。黒糖一般にST13株を活性化する作用があると考えられる。六価クロムの還元能に関わる遺伝子を探索する手法として、トランスポゾンでST13の染色体に変異を導入した遺伝子突然変異株を作製した。この変異株の六価クロム除去能を調べることで、除去に有用な知見が得られることが期待される。 これら研究は継続しており、その一部を学会で発表した。
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