2010 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ・ナノバブルを応用したリスクフリー型高度環境水修復プロセスの開発
Project/Area Number |
21510094
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
室山 勝彦 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (00026163)
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Keywords | 環境保全技術 / 環境修復 / リスクフリー技術 / マイクロ・ナノバブル / 浄水処理 / p-クロロフェノール / フェノール |
Research Abstract |
研究目的 平成22年度は、(1)オゾン化酸素ガスのマイクロバブルを吹き込んだ気泡塔において、フェノールおよびp-クロロフェノールをモデル物質とした低濃度環境リスク物質のオゾン酸化分解反応の解析を継続的に進めた。(2)従来未解明であった気泡径が数10μmの完全溶解型のマイクロバブ分散における気泡径分布、ガスホールドアップなどの分散特性、及びガスの溶解特性の把握の二つの研究課題を遂行した。 研究結果 (1) 溶存オゾンと希薄なフェノールおよびクロロフェノールとの間の液相反応の速度解析:気泡塔型反応器を用いマイクロバブルオゾン化酸素ガスを連続的に通気させ、溶存オゾン濃度を一定に保ちながら希薄フェノール及びp-クロロフェノールを分解させた。マイクロバブル分散ではオゾン溶解速度が非常に大きく、オゾン化酸素ガスの供給速度はミリバブル分散の場合の1/5ですむため極めて有益であった。またフェノール及びp-クロロフェノールの分解速度は一次反応と見なせると分かった。また、NaOHの添加は分解生成物の有機酸によるpHの低下を抑制し、分解速度の促進に寄与した。これらの研究成果を、国際会議(ASCON2010, Phuket, Thailand 2010)に発表した。 (2) マイクロバブル分散における気泡特性およびガスの溶解特性:加圧溶解式と高速旋回流式の複合型マイクロバブル発生器から発生する、数10μmの均一で小さい気泡からなるマイクロバブル分散における気泡径分布およびガスホールドアップを測定し、ガスホールドアップ、対面積平均径、気液界面積などの気泡特性が通常のミリバブル分散に比較して極めて優れていることを見出した。さらに酸素ガスマイクロバブル分散における液相物質移動容量係数k_La_Lを測定し、ガス溶解効率に対する相関を得た。研究成果は、国際会議(ASCON2010, Phuket, Rhiland 2010),及び化学工学会第42回秋期大会(同志社大、2010年9月)にて発表した。
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Research Products
(5 results)