2011 Fiscal Year Annual Research Report
ファインケミカルズ合成の環境調和性を目指す固体触媒に関する研究
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21510098
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Research Institution | 財団法人名古屋産業科学研究所 |
Principal Investigator |
杉 義弘 財団法人 名古屋産業科学研究所, 研究部, 上席研究員 (90281047)
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Keywords | ゼオライト / メソポーラス / ゼオライト構成単位 / マイクロ/メソ細孔 / 水熱安定性 / 固体酸性 / 形状選択性 / 有機合成 |
Research Abstract |
今年度は最終年度にあたるので、これまで得られた成果の取りまとめを行った。 1.塩基触媒機能を調べるために、高い塩基性を示すセシウム塩を中心に検討した。γ-アルミナを担体とする酢酸塩及び炭酸塩を500-700℃で焼成したところ炭酸セシウムとして存在した。しかし、硝酸塩は、500℃焼成でも安定に存在し、700℃焼成で一部炭酸塩を生成するが、大部分はアルミナとの塩を生成した。マロン酸ジメチルとアクリル酸エチルのマイケル反応における触媒活性を測定した。炭酸塩は非常に高い触媒活性を示すが、硝酸塩はほとんど活性が無いことがわかった。また、反応中に生成する重質成分は焼成再活性化により触媒機能が回復した。 2.触媒機能を最大に発揮されるために、超臨界CO2(sc-CO2)の機能をイソブチルベンゼンのイソプロピル化において検討した。炭化水素溶媒を使用する触媒反応に比べて触媒活性低下の原因であるコーク生成が抑えられ、低温においても高い活性を有した。特にモルデナイト(MOR)触媒を使用するイソブチルベンゼンのイソプロピル化では、炭化溶媒中に比べてp-イソブチルクメン生成活性及び選択性が優れていた。 3.ランタニド酸化物で修飾したMOR触媒によるナフタレンのイソプロピル化反応を検討した。CeO2及びSm203は高担持量でも活性を示したが、La203、Pr203等では、担持により急速に活性を失った。300℃における2,6-選択性はCeO2では60%であったが、Sm203では70%に達した。CeO2は外部酸点を不活性化するが、MORの有効細孔径には影響がない。Sm203では外表面酸点の不活性化共に、細孔径が制御されると考えられた。 4.ゼオライト骨格を有するメソポーラスアルミノシリケートのゼオライト構造を知るために、製造方法の異なるいくつのメソポーラスゼオライトを調整し、低圧におけるN2吸着を検討した。ゼオライトに基づく吸着は認められ、ゼオライト構造が存在することが確認された。
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Research Products
(10 results)