2010 Fiscal Year Annual Research Report
水中パルス放電によるコンクリート骨材再生技術に関する研究
Project/Area Number |
21510099
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
重石 光弘 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (50253761)
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Keywords | コンクリート / 解体 / 再生骨材 / リサイクル / パルスパワー / 水中放電 / プラズマ / 衝撃波 |
Research Abstract |
本研究では、高電圧の水中放電によるパルスパワーを利用した制御破壊技術により、廃コンクリート塊から、骨材の部分を分離回収して再利用するための研究、技術開発を実施しするものである。本年度においては、昨年度に引き続き骨材・分離回収のための工学的有理性の向上について検討を実施した結果、以下のようなことが判明した。 ・水中に浸漬したコンクリートに高電圧パルス放電の繰返し印加によってコンクリートが破砕され、骨材を分離できる原理が物理的に解明された。すなわち (1)パルス電流は絶縁破壊強度の最も弱いコンクリート内空隙中の気相を伝って流れ、結果として空気の絶縁破壊の後に大電流が生じて空気のプラズマ化による大膨張がコンクリート内に亀裂を生成すること。 (2)次に、高電圧パルス放電による極短時間における空気のプラズマ化、および水の気化によって励起された水中衝撃波がコンクリートに作用すると、その伝播における骨材とその周囲との境界面で透過・反射が発生し、境界面に作用する引張力によって密度(音響インピーダンス)の相違する物質の剥離を促す。 ・本手法によって製造された再生骨材のコンクリート用骨材品質の公的試験機関によってJISに定める再生粗骨材Hの基準を満たすことが確かめられ、ならびにこれによる再生コンクリートをコンクリート二次製品ブロックへ適用した結果、地先コンクリートブロックAのJISに定める基準を満たすことが確かめられた。 ・本手法によって製造された再生細骨材を地盤改良のための代替砂として適用する場合、公的試験機関によってこれより溶出する六価クロムは検出されず、また比重分離により軽量分を取り除いた再生細骨材をもちいたアサリのバイオアッセイ試験の結果、アサリが生息できることが確かめられた。
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Research Products
(11 results)