2009 Fiscal Year Annual Research Report
環境負荷の低減を指向した界面活性剤の効率的生産技術の開発
Project/Area Number |
21510101
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Research Institution | Niigata Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹園 恵 Niigata Institute of Technology, 工学部, 教授 (20288252)
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Keywords | バイオサーファクタント / 低環境負荷型材料 / 消泡装置 / 泡沫分離 |
Research Abstract |
消泡装置で泡をコントロールし、微生物反応器内に泡沫層を存在させながらバイオサーファクタントを生産する方法について検討した。 1.消泡方式に関する検討 これまでの研究で適用していた消泡方式では、発泡が激しくなる条件(高通気攪拌条件)になると、泡コントロールできなかった。そこで、消泡効果を高めるために、回転羽根による泡の破壊と液滴衝突による泡の破壊の二つ消泡機構を利用する方式を試みた。攪拌軸上に取り付けた消泡翼(円板の下面に6枚の羽根が取り付けられている回転翼)の上面に、ポンプにより持ち上げた培養液を滴下し、回転作用を利用して消泡翼端から液滴を飛散させた。この方式により、発泡の激しい条件でも培養終了時まで泡をコントロールすることができた。 2.培養液および泡沫層におけるバイオサーファクタントの分離特性に関する検討 1で検討した消泡装置を備えた10L容の微生物反応器を用いて、泡沫層存在下でリポペプチド型バイオサーファクタント生産菌Bacillus subtilis NT1の好気培養を実施した。泡沫層と培養液部に分けて、バイオサーファクタント濃度を評価した。泡沫層では、上部と下部でバイオサーファクタント濃度を測定したが、両者はほとんど違いがなかった。培養の早い段階で、泡沫層のバイオサーファクタント濃度は、培養液部に比べて著しく大きくなった。これは、生産されたバイオサーファクタントが培養液部から泡沫層に速やかに分離していることを示唆している。培養液部のバイオサーファクタント濃度に対する泡沫層のバイオサーファクタント濃度の比として算出した濃縮比は、培養が進むにつれて低下し、やがて一定となることがわかった。
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