2011 Fiscal Year Annual Research Report
環境負荷の低減を指向した界面活性剤の効率的生産技術の開発
Project/Area Number |
21510101
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Research Institution | Niigata Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹園 恵 新潟工科大学, 工学部, 教授 (20288252)
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Keywords | バイオサーファクタント / 低環境負荷型材料 / 消泡装置 / 泡沫分離 |
Research Abstract |
消泡装置を装着した微生物反応器を用いるバイオサーファクタントの効率的な生産方法について検討した。バイオサーファクタントは、微生物が生産する低環境負荷型の界面活性剤である。バイオサーファクタント生産菌の好気培養では液の泡立ちが発生するが、この反応器では、消泡剤を一切添加せず消泡装置のみで泡を抑えて反応器内に泡沫層を存在させる。培養液部で生産されたバイオサーファクタントは、界面活性物質の特性のため泡沫層に濃縮する。培養終了後に泡液として取り出すと、分離精製工程で少量の液体を処理することになる。そのため、従来法に比べて省エネルギー的にバイオサーファクタントを生産できる。生産菌としてBacillus subtilis ATCC21332を使用し、リポペプチド型のバイオサーファクタントであるサーファクチンの生産系に本方法を適用した。高い通気撹絆条件(通気量:3.0L/min、攪絆速度:800rpm)で48時間培養したが、最後まで反応器から泡が溢れないように制御することに成功した。通気量が高くなるほど、バイオサーファクタントの生産量が増加することがわかった。最大バイオサーファクタント生産量は、培養液1Lあたり203mgであった。泡沫部のバイオサーファクタント濃度は、培養液部に比べて最大10倍も大きく、バイオサーファクタントは泡沫層に濃縮することが確認された。泡沫によるバイオサーファクタントの回収性能は、何れの培養条件でも終了後に40%近くのバイオサーファクタントが培養液部に残存することが明らかとなった。この改善策として、培養終了後に低い通気量(1.0L/min)で1時間泡沫分離操作を行い、泡沫を回収した。この方法により、バイオサーファクタントの回収率を最大92%まで高めることができた。
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