2010 Fiscal Year Annual Research Report
デンドロン型置換基を利用したナノ集積化による有機半導体材料のメゾ構造制御
Project/Area Number |
21510103
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高口 豊 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (10293482)
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Keywords | フラーレン / カーボンナノチューブ / デンドリマー / 光誘起電子移動 / 複合体 |
Research Abstract |
(1)ジフェニルジセレニドをコアに持つポリアミドアミンデンドリマーの合成 これまで報告例のないジフェニルジセレニドをコアに持つデンドリマーの合成に初めて成功した。これにより,セレン原子を含む光機能性デンドリマーの合成と集積化に関する研究が可能となった。 (2)ジアステレオ選択的Diels-Alder反応を用いた光学活性フラロデンドロンの単離 デンドロン型置換基を利用したナノ集積化において,高次構造の発現が期待される光学活性官能基の導入には大変興味が持たれるが,これまで,光学活性フラロデンドロンの単離例は数例しか報告されていない。今回,末端にグルコナミド基を導入することで,エナンチオメリックなフラロデンドロンの単離に成功した。今後,こうしたフラロデンドロンの作る分子集合状態について検討する予定である。 (3)DBN焦点型デンドロンを用いた双性イオン型フラロデンドロンの合成と単離 通常不安定なアニオン性フラーレン誘導体について,デンドリマー型置換基を導入することで単離可能となることを見出した。 (4)単層カーボンナノチューブ/フラロデンドロン超分子複合体の光誘起電子移動 単層カーボンナノチューブ表面に自己組織化によりフラロデンドロンを集積した単層カーボンナノチューブ/フラロデンドロン超分子複合体のレーザー分光を行い,高効率光誘起電子移動を確認した。これは,超分子複合体が理想的な光機能界面を有することを示しており,今後材料応用が期待される。 (5)無機層状化合物内へのデンドリマーの挿入と光反応性 層状化合物への光機能性デンドリマーのインターカレーションに成功した。新しい,光機能性官能基の集積化法として興味が持たれる。
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