2011 Fiscal Year Annual Research Report
分子マシンをめざしたダブルデッカー錯体の回転の可視化と制御
Project/Area Number |
21510104
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大月 穣 日本大学, 理工学部, 教授 (80233188)
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Keywords | 走査トンネル顕微鏡 / ダブルデッカーフタロシアニン / ダブルデッカーポルフィリン / 分子マシン |
Research Abstract |
分子が機能発現の最小単位であることを考えると,分子一つが一つの機能を担う分子マシンは,機械のミニチュア化の究極の姿であろう。マシンが行うさまざまな動きの中でも回転運動は最も基本的な動きの一つなので,分子マシンをつくるには,分子回転子を開発する必要がある.ダブルデッカーポルフィリン/フタロシアニン錯体は,中心金属の種類やマクロ環上の置換基に依存してさまざまな速度で回転運動する.本研究では,表面に固定化されたダブルデッカー錯体の回転を直接「見る」ことによって,一つずつの分子のレベルで,分子回転子としてのダブルデッカー錯体の動きを明らかにすることを目的とした.グラファイト表面にダブルデッカー錯体の溶液を滴下し,自己集合的に形成する単分子膜を走査トンネル顕微鏡(STM)で観察するという実験系を用いた。本年度は,ダブルデッカーフタロシアニン錯体について,上下の環が互いに回転していることを初めて見いだした.さらに,中心金属がセリウムあるいはジルコニウムと異なるが,その他の分子構造が全く同じダブルデッカー錯体をSTMで観察し,回転が速いセリウムダブルデッカー錯体は円状の像を形成し,回転が極めて遅いジルコニウムダブルデッカー錯体は楕円形の像を形成することを明らかにした.また,ダブルデッカーポルフィリンにさらにポルフィリンが結合した分子を合成した.この分子の溶液中での運動を温度可変NMRで明らかにした.この分子も,基板上に規則的に配列することをSTMにより明らかにした.
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Research Products
(7 results)