2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21510111
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
廣瀬 文彦 Yamagata University, 大学院・理工学研究科, 教授 (50372339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 克 山形大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (30396543)
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Keywords | ナノ構造形成・制御 / 原子層堆積 |
Research Abstract |
次世代の原子スケールでの半導体デバイスを実現するために、サーマルバジェットを極限まで抑えたHigh-k絶縁膜の室温原子層堆積法の構築を目的に、表面化学修飾法によるシリコン酸化膜上のハイドロキシル化を行うための励起OHラジカル源を作製した。これは、室温で酸化膜の持続的堆積を可能にする、原料ガス(トリメチルアミノシラン:TDMAS)の吸着確率を高めるための装置である。その効果を確かめるために多重内部反射赤外吸収分光装置を組み込んだ原子層堆積装置を完成させた。H21年度では、この装置を用いて、室温でのSi酸化膜表面でのハイドロキシル化を赤外吸収分光で調査した結果、室温でもハイドロキシル化が可能であることがわかったが、弊害としてOHラジカルを形成するための原料である水において、励起源で解離しきれなかった分が、酸化膜表面に堆積して吸着水となり、返って原料ガスの吸着を阻害することを明らかにした。吸着水の堆積を防止するため、さらに原料の解離効率の高いOHラジカル源を考え、その設計を行った。また近室温の170℃では、先の吸着水の問題が効果的に解消できることを見出し、その温度で50サイクルの原子層堆積を実施し、毎回0.3Åの製膜速度を得たほか、3~11MV/cm程度の絶縁電界強度をもつMOS用酸化膜を形成できることを明らかにした。この酸化膜を用いて作製したMOSキャパシタ-では、良好なC-V特性が得られ、そのヒステリシスは0.2V以下と高特性を得た。またHigh-k絶縁膜での製膜用原料ガスのトリエチルメチルアミノハフニウムについても、Si及びSi酸化膜表面への吸着特性を赤外吸収分光を用いて調べ、室温原子層堆積を実施するための条件設定のためのデータを取得した。
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Research Products
(2 results)