2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ結晶、ナノワイヤへの機能性不純物ドーピングと新物性
Project/Area Number |
21510112
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
村上 浩一 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (10116113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深田 直樹 独立行政法人物質・料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 独立研究者 (90302207)
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Keywords | Siナノ結晶 / Siナノワイヤ / 機能性不純物ドーピング / ドナー / イオン注入効果 / フォトルミネッセンス / 常磁性の偶奇性 / 水素原子処理効果 |
Research Abstract |
主に、機能性を示すドナー及びアクセプター不純物をSi系ナノ構造体(Siナノ結晶(SiNCs)及びSiナノワイヤ(SiNWs)に対してドーピングを試み、その中のキャリアー数を決定する活性不純物の状態とその界面での欠陥の制御効果を明らかにする実験的研究を行った。特に、問題となるSi/SiO_2界面のダングリング・ボンド型界面欠陥の水素、重水素によるパッシベーション制御を試み、その効果を調べ、最適手法を開発研究した。 SiNWsの作製はレーザーアブレーションで行い、SiNCsはRFスパッタ法によりSiリッチのSiO_X膜から高温アニールによりSiO_2中に埋め込まれた高密度なSiNCsを作製した。そのナノ構造体にイオン注入で不純物ドープした、まずアニールによって電気的に活性化を行い、ドープした不純物の評価を行い、次いで水素原子処理によりその系に含まれる欠陥の水素パッシベーション効果を行い、同様にラマン散乱、光ルミネッセンス(PL)と電子スピン共鳴(ESR)測定で調べた。 その結果、第一にSiNCsへのPイオン注入によりPL強度が低注入量では増加し、注入量が増加するに伴いAuger効果によりPL強度が減少していくことが明らかになった。この現象は界面欠陥の水素パッシベーションを行うことにより得られた結果である。第二にSiNCsにドープされたPドナーおよび擬伝導電子について低温ESR測定でしらべ、常磁性帯磁率に対応するESR強度がドープしたP濃度に依存しないことが見出された。これも、水素パッシベーションした試料で初めて判明したことである。 SiNWsについてのドーピングと電気的活性についてさらに研究を進めている。
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