2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21510113
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
岡田 守弘 Shizuoka University, 電子工学研究所, 客員教授 (70373785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根尾 陽一郎 静岡大学, 電子工学研究所, 准教授 (50312674)
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Keywords | ナノ機能材料 / マグネタイト / ウィスカー / スピン偏極電子 / 二酸化炭素分解 |
Research Abstract |
新規形状物質であるマグネタイト(Fe3O4)ウィスカーの、二酸化炭素分解触媒とスピン偏極電子源への適用を図るべく以下の進捗を得た。 二酸化炭素分解触媒:炭素析出や焼結等で目詰まりを生ずることのない、高密度のマグネタイトウィスカー担持基材として、ウィスカーの成長に適した軟鉄製のメタル担体の開発を、材料メーカーと共同で行った。同時に二酸化炭素分解炭素循環システム(詳細は実施計画書参照)の素反応で吸収、生成するガス成分を定量的に計測するための、ガス反応装置を製作した。さらにサンプリングガス定量のため、システムガスクロマトグラフ(TCD検出器二台)を上記反応装置に接続し、オンライン測定可能とした。検出器を二台搭載することで、水素と二酸化炭素の検出感度を維持できた。本格的なデータ採集は次年度行う。 スピン偏極電子源:ウィスカー先端表面を清浄化するための電界蒸発・脱離処理に必要な電界強度は数V/Åである。この電界強度に耐えられる接着強度を得るために,ウィスカーを電極に固定している根元に、接着用タングステン蒸着膜を360゜全方向から取り囲むように堆積させた。その結果,最大~3.5V/Åの電界強度に耐えられ、十分な強度を有する試料の作製技術を確立した。偏極電子引き出し時に高効率にウィスカー先端に電界が集中できかつ、電子線の精密な光軸調整が可能なウィスカーの形状は、直線で長さが約3μmであることなど、電子源の形状の規格を見出した。これまでの研究で,陰極軸に垂直な面内成分に限って,室温でのスピン偏極度は約15%であった。この値は,下限値を与えているにすぎず、次年度は新規作製したスピン回転器を用いて偏極度の全方向成分を精密測定する。
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