2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21510117
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
白鳥 世明 Keio University, 理工学部, 准教授 (00222042)
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Keywords | 自己組織化 / 交互吸着 / 血栓 / ナノ / 表面 / 濡れ性 / 抗血栓 |
Research Abstract |
有機薄膜作製技術は,一般的にドライプロセスとウェットプロセスという二つの作製方法に大きく分けられる。スッパタリング法,化学気相堆積法(CVD)法,レーザーアブレーション法などのドライプロセスは,高温・高真空を有するため大掛かりな装置が必要となり基材と材料が制約される。一方,ゾルゲル法,キャスト法などのウェットプロセスは,常温・常圧下で簡易的に薄膜を形成できるが,系が不安定であるために膜厚や表面構造の制御に限界がある。近年,材料の静電的な自己組織化による薄膜形成法として交互積層法が,常温・常圧下で膜厚・構造制御に優れることから,様々な分野で研究が進展されている.本研究では交互吸着法の応用例として、ポリカチオンにPoly(Poly(acrylic acid)とPoly(vinyl alcohol)の混合溶液を、ポリアニオンにPoly(diallyl dimethylammonium)chlorideを用いた抗血栓性を有する交互吸着膜を提案してきた。これまで材料表面のナノスケールでの微細構造と血液の付着性との関連に関する報告はほとんどないため、本研究では、材料表面の凹凸構造を制御することで表面凹凸構造と液滴の表面塗れ性との関係を調査した。特に本年度は、基板搬送装置を導入し、自動製膜が効率的に行えるようになった。交互吸着に使われる材料は水溶性ポリマーであるため,耐久性、特に耐水性が不十分ことが判明した.そこでポリカチオンをPoly(allyamine hydrochloride)に置き換えた後、熱架橋を施すことで,従来の抗血栓性を維持したまま、高い耐水性・耐久性を有する抗血栓性薄膜を作製することに成功した。また、架橋モデルを立てることで、抗血栓性にはPVAのOH基にるよる濡れ性が重要であるということが明らかになった。
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Research Products
(3 results)