Research Abstract |
21年度は,ポリマ多重量子ドット(MQD)のMLDによる成長,色素吸着ZnO膜での導波照射による光電流増大化に成功した.22年度は,チャンバ大型化で不安定となったMLDの再現性向上と異種量子ドット内包ポリマMQDの成長,poly-AMによるZnO増感効果の検証,およびLiquid-Phase MLD(LP-MLD)の考案とそれを用いた2色素増感を行なった. 1)異種量子ドットを内包したポリマMQDの成長 MLDの再現性低下の原因として考えられる残留分子の回り込みを低減するために,分子ガスノズルの改良によりガスフローを調整した.さらに,ガス切り替え時に流すN_2パージを分子ガス吹き付けと30s間オーバラップさせた.以上のような工夫により,MLDの再現性が回復し,異なる長さの量子ドットを内包したポリマMQDの作製に成功した. 2)poly-AMによるZnOの増感 ポリマMQDの骨格をなすpoly-AMをZnO蒸着膜上に成長させた.波長~500nmから~400nmの範囲で光電流が発生し,かつ導波照射による光電流の増大化がみとめられた.このことから,poly-AMは導波型太陽電池の増感層として働くことがわかった.次年度,ポリマMQDを適用し,太陽電池の増感を試みる. 3)導波型太陽電池の2色素増感 色素分子の配列構造を利用する多色素増感を実現するために,Liquid-Phase MLD(LP-MLD)を考案した.第1ステップとして,p型色素のRose Bengal(RB)とn型色素のCrystal Violet(CV)からなるp/n 2層構造をLP-MLDを用いてZnO上に形成した.CVはRBに比べて光吸収帯が長波長側にあるため,上記2層構造により,増感領域が長波長側に拡大した.次年度,増感メカニズムおよび太陽電池としての効果を調べる.
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