2009 Fiscal Year Annual Research Report
パルス励起プロセスを用いたナノ結晶構造体の能動的制御
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21510120
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
梅津 郁朗 Konan University, 理工学部, 教授 (30203582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 岳人 阿南高専, 准教授 (20370033)
杉村 陽 甲南大学, 理工学部, 教授 (30278791)
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Keywords | レーザーアブレーション / ナノ結晶 / 非平衡プロセス / レーザープロセッシング / 結晶成長 / プルーム |
Research Abstract |
ガス中でのレーザーアブレーション法を用いるとナノ結晶の生成が可能であることは良く知られている。ナノ結晶の生成と成長はパルス励起後の動的過程が鍵となる。本研究では二つのプルームをナノ結晶の成長過程で衝突させることで成長過程の制御を実現するのが目的である。当該年度は実験系を構築した。ターゲットはSiとGeとし、両者に二つのパルスTAGレーザーを照射しパルスの遅延を可能とした。このシステムを用いて試料作成の前段階としてCCDと分光器を用いて二つのプルームの時間的、空間的発展のスペクトルの観察をおこなった。その結果、二つのターゲットを対向位置に配置した場合に対向するプルームの進展の影響を受けることが確認できた。特にターゲット間距離を10mm以下に狭めた場合には、プルームの衝突後、一旦消滅した発光が再び観察された。この原因は不明確ではあるが二つのプルームが激しく衝突することによって運動エネルギーがプルームの再励起を引き起こしているものと考えられる。これは当初予想しなかった現象で、新現象の発見という意味以外にも、ナノ結晶生成の新たな反応場として使用できる可能性があり、今後この現象と原因を追究していく。実験の結果プルームの衝突過程のバックグラウンドのガス圧、レーザーフルーエンス、遅延時間等に対する依存性を確認した。本研究では基板の位置も重要で基板を衝突位置に置いたところ単一のプルームの場合よりも堆積量の増加が観察された。これは衝突によってナノ結晶が進行方向と垂直方向に流れが生じるためであると考えられ、流体力学的にも興味深い。以上のように試料作成の準備は着実に進んでおり、準備段階でのプルームの挙動に関する新しい結果も得られた。
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Research Products
(20 results)
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[Presentation] 硫黄を過飽和ドープしたSi単結晶の光電気伝導特性2009
Author(s)
高取裕樹, 平田圭, 香野淳, Warrender J.M., Williams J.S., Charnvanichborikarn S., 杉村陽, 梅津郁朗, Aziz M.J
Organizer
2009年 秋季第70回応用物理学会学術講演会
Place of Presentation
富山大学
Year and Date
2009-09-09
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[Presentation] Siに過飽和ドープされた硫黄の化学結合状態解析2009
Author(s)
香野淳, 岡島敏浩, Supakit Charnvanichborikarn, Jeffrey Warrender, James Williams, 梅津郁朗, Michael Aziz
Organizer
2009年 春季第56回応用物理学関係連合講演会
Place of Presentation
筑波大学
Year and Date
2009-04-02