2011 Fiscal Year Annual Research Report
単一分子セル構造によるナノスケール電位情報の運用技術開発
Project/Area Number |
21510122
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
田中 秀吉 独立行政法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所・ナノICT研究室, 研究マネージャー (40284608)
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Keywords | STM / NCAFM / SKPM / LCPD |
Research Abstract |
SKPMにより取得されるデータの定量性と信頼性を高めるためには、カンチレバーの基準固有振動数にさらに高次のハーモニック信号を重畳しつつそれぞれのモードを同時に自励発振させることでNCAFMとSKPM観測を同時に行い、その取得データを相互補完することが有効である。前年度は1次振動をSKPM信号、2次振動をNCAFM信号として検出する方式の実装を進めたが、この方式ではSKPMの出力がカンチレバーの1次振動の振幅量に大きく依存し、十分な信号確度が得られないことが判明したため、1次信号をNCAFM信号、2次信号をSKPM信号に設定変更し、観測条件の最適化を図った。その結果、微小な自励振幅においても十分な確度にてSKPMシグナルを得ることができるようになり、LCPD取得データの信頼性が向上した。また、基板上における分子の凝集様式や基板との結合様式がLCPD値に与える効果について確認するために、原子レベルで清浄平坦化したCu(111)表面に、中心にCu原子を含むポルフィリン分子を配置してそのNCAFMイメージのバイアス電圧依存性について詳細に調べた。その結果、同一の分子でも、基板上における分子の並び方や下地基板の様態によってNCAFM像のバイアス電圧依存性が大きく異なることが明らかになった。LCPD値はカンチレバー先端と観測表面間のポテンシャルエネルギーの差異を反映しているため、ここで得られたSPMイメージのバイアス電圧依存性は個々の分子ユニットが近接しドメイン構造を組む、あるいは下地基板と相関をもつことによりその電子状態が変調を受けたためであると考えられる。
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Research Products
(1 results)