2010 Fiscal Year Annual Research Report
ラボディスクのハイスループット単一細胞発現遺伝子プロファイリングへの展開
Project/Area Number |
21510127
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
久保 いづみ 創価大学, 工学部, 教授 (40214986)
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Keywords | マイクロセンサー / RT-PCR / Jurkat Cell / ディスク / 単一細胞 / m-RNA |
Research Abstract |
本研究では、ハイスループットに細胞懸濁液からの単一細胞分離を行うことができるdisk上で、単一細胞の発現遺伝子を確認する手法を確立することを目的とし、マイクロ流路および集積化したチャンバーを設けたdiskを作製しているが、本年度はチャンバーの位置を自動読み取りできるように修正したdiskを設計し、シリコン基板とガラスで作製した。発現遺伝子を確認する方法としてはRT-PCRを用いて、m-RNAの発現を測定する事を考えた。このdiskを用いJurkat cell(ヒト急性白血病T細胞)の細胞懸濁液を単一細胞に分離し、そのままRT-PCRを行うことによって遺伝子の発現確認を試みた。Jurkat cellは、界面活性剤を加えなくても、95℃で加熱するだけ細胞膜が損傷し、細胞内にあるm-RNAを逆転写できた。また逆転写活性をもつ耐熱性PolymeraseのTth Polymeraseを使用することで、チューブ内で細胞から直接Human GAPDH m-RNAを逆転写しPCRによって増幅・検出することをワンステップで行うことに成功した。さらに、本年度PCR産物を蛍光で確認するために、増幅産物に結合すると蛍光を発するDouble Dyeprobeを使用したところ、増幅に伴う蛍光の増加が確認された。さらにdisk上でPCRを行う反応条件として、polymeraseの濃度、アニーリングの温度、反応時間などを検討し、最適条件を得た。この条件下で、disk上でRT-PCRを行ったところ、20~40サイクルで蛍光強度の大きな増加がみられた。Jurkat Cellを単一分離できる濃度条件で、RT-PCRを行ったところ、細胞が入っていないチャンバーと、細胞が単一分離されているチャンバーでの蛍光強度分布の差が有意に認められ、disk上で単一細胞からRT-PCRできることが示された。
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Research Products
(14 results)