2011 Fiscal Year Annual Research Report
内陸開発途上国におけるリスクと不確実性を考慮した通過国輸送モデルの開発
Project/Area Number |
21510140
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
花岡 伸也 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (90467027)
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Keywords | 内陸開発途上国 / ロジスティクス / クロスボーダー輸送 / 輸送時間信頼性 |
Research Abstract |
内陸開発途上国と近接国の港湾を結ぶ陸上経路では,国境と港湾が輸送時間の安定を阻害するボトルネックになっており,輸送時間信頼性の低さが本研究課題の調査により明らかになった.輸送時間信頼性が低い経路での貨物輸送の一般化費用には,輸送時間変動によって発生する費用(本研究課題ではスケジュール変動費用と呼称)も含まれるものと考えられる.そのため,内陸開発途上国によるクロスボーダー輸送の一般化費用算出には,輸送時間変動による費用を考慮したモデルが必要である.そこで,内陸開発途上国であるラオスをケーススタディとして,輸送時間変動価値を推定し,さらに期待早着および遅着を確率的に表現した期待到着時刻変動モデルと統合することで,スケジュール変動費用を内包した一般化費用を算出するモデル構築した.これにより,内陸開発途上国のクロスボーダー輸送の一般化費用をより正確に求められることが可能となった.また,国境と港湾で発生する二つの輸送時間変動を合成して表現する工夫も施した.これにより,より簡便にスケジュール変動費用を算出することが可能となった. ラオスを対象としたシナリオ分析では,国境および港湾における輸送時間信頼性が向上した場合について分析した.ラオスの隣接国であるベトナムの港湾は,国境と比較して信頼性がもともと低く,ベトナム港湾の信頼性向上が国境信頼性向上より総費用削減率が大きいことが示された.港湾選択では,港湾および国境信頼性向上の両ケース共に類似の傾向を示しており,輸送時間信頼性が向上するにつれ,現状で貨物取扱量の多いタイのラムチャバン港の取扱量が減少し,ベトナム港湾の取扱量が上昇することが示された.
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