2011 Fiscal Year Annual Research Report
高次システム解析への準モンテカルロ法適用のための基礎的研究
Project/Area Number |
21510141
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
諸星 穂積 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (10272387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 達雄 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (30134323)
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Keywords | システム工学 / シミュレーション / 応用数学 |
Research Abstract |
準乱数によるマルコフ連鎖シミュレーションの試みとして,状態空間モデルの数値実験を行った成果を速報として論文にまとめて発表した.これは,準乱数を用いることで,当該モデルにおいて重要な尤度関数の計算が,高速に行えることを示したものである.具体的には,通常のモンテカルロ法と比較しておよそ一桁位少ないサンプル点で,ほぼ同じ精度の尤度を計算できた.精度については,従来から研究を進めているランダム化準モンテカルロ法を利用して計算している.計算結果の信頼性もモンテカルロ法との比較により,確認している.また,この成果をより精査して本格的な論文に仕上げるために,追加的な数値実験を行い,最終論文としてまとめるための準備を進めた.本手法の特徴としてリサンプリングが必要とされるが,準モンテカルロ法的観点からはソーティングが重要な役割をはたしていることが,この実験では示されたので,この点についての考察を引き続き進めている.この点は,従来あまり指摘されていない事柄であることから,関連文献などの調査・検討を引き続き行い,こちらの理論面を詳細化した論文の作成を別途進めたいと考えている.また,当該手法の適用範囲を広めるべく,MCMCを利用する種々の応用例の調査や,関連分野についての講演会を行い研究の裾野を広げるための活動を行った.いくつかの問題については,適用可能性をもとめて試験的に実験を行い,結果の精査と整理を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究内容についていくつかの例について数値実験を行い,本手法の有効性を一定程度検証することができたと考える.内容についての研究論文も速報ではあるが発表することができた.もう少し事例を増やすことでおおむね研究目的は達成され得ると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
最終論文の完成をすることを目標に,追加的な実験,文献調査,理論的細部の詳細な検討を行う.関連する分野の専門家と意見交換を必要に応じて行い,研究の成果の発表を適当な学会で行いたい.
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