2011 Fiscal Year Annual Research Report
ポーリングシステムのImportant Sampling技術に関する研究
Project/Area Number |
21510143
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
馮 偉 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (30252307)
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Keywords | ポーリンスシステム / IEEE802.11、IEEE802.16無線通信ネットワーク / Important Sampling / システムの定常分布 / 稀事象の確率 |
Research Abstract |
平成23年度では、22年度の研究結果を踏まえて、無線通信システムへの応用モデルと待ち行列の理論モデルに関する研究をさらに進んでいた。具体的に、1)Stochastic ComplementとClimmelin方法を使って多重閾値コントロールを持つ離散時間待ち行列モデルの解析を行い、独立及びマルコフ到着過程の下でシステムの待ち時間定常分布を求めるアルゴリズムを与えた。結果は二編の論文にまとめ、一編はすでに学術雑誌に掲載され、もう一編は今年の待ち行列シンポジウムで発表し、5月に雑誌に投稿する予定である。2)無線通信システムへの応用モデルに関する研究を行った。近年、急速に普及している無線通信システムIEEE802.11及びIEEE802.16にはポーリングとコンテンションの両処理方式が採用されている。今まで、両処理方式は別々にしてシステムのパフォーマンスが解析されてきた。われわれは両処理方式を統合したモデルを考え、システムの性能解析を行った。特にシステムの定常分布及び衝突確率、システム通信量などを求めた。さらに、IEEE802.11無線通信システムに対して、集団送信DCFプロトコールを開発し、このスキームの下でIEEE802.11無線通信ネットワークの性能解析を行った。システムの定常分布を計算するためのアルゴリズムを開発し、システムの送信率、衝突率、処理量及びHol-delayなどについて量的な評価を与えた。また、IEEE802.16無線通信システムに対して、3次元のマルコフ連鎖理論を用いて非飽和状態における無線通信ネットワークの性能解析を行った。これらの研究結果から、本研究で考案した送信方式はIEEE8021シリーズの無線通信システムに応用すれば、よりスムースに、大量的にデータを送信することが可能である。これらの研究結果はすでに三つの論文にまとめ、国内の待ち行列シンポジウムとOR学会で発表していた。さらに、計算結果を充実して今年の6月に雑誌に投稿する予定である。以上の理論研究と共に、呼損率のようなシステムの稀事象の確率をシミュレーションによって評価できるImportant Samplingアルゴリズムの開発もできた。
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