2011 Fiscal Year Annual Research Report
ジャスト・イン・タイム生産を実現するロット生産ラインの運営方法に関する研究
Project/Area Number |
21510151
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
小谷 重徳 首都大学東京, 社会科学研究科, 教授 (10404948)
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Keywords | トヨタ生産方式 / ジャスト・イン・タイム生産方式 / ロット生産ライン / スケジューリング / 定時不定量生産方式 / かんばん方式 / 近似解法 |
Research Abstract |
トヨタ生産方式を導入する企業は後を絶たない。トヨタ生産方式の導入で最も大切なことは、ロット生産ラインにおける生産ロットを、徹底的に小さくすることである。生産ロットが小さくできると、発注店方式で仕掛けができ、信号かんばんにより仕掛けが容易に行うことができる。しかし、この方式では発注点にならないと生産すべき部品が分からないので、明日以降の段取り替えが計画的に行うことができないという問題点がある。トヨタでは、この問題を解決し、ジャスト・イン・タイム生産を実現する方式として定時不定量生産方式を開発し、採用している。この方式は、予め生産のスケジュールを決めておき、スケジュールに従って生産するときは、先回の生産から今回の生産までの間に後工程で使用された部品の量を生産ロットする方法である。要するに、後工程の生産量の変動を、ロットサイズを変更して対応する方法である。この方式を適切に運営するためには、まずスケジュールを決定する必要がある。このスケジュールを適切に決めないと安全在庫が多くなるので、非常に重要である。そこで、今回この問題に着目し、以前に開発したスケジューリングの方法を改善し、以前の方法と比較して安全在庫が半分以下になる方法を開発した。このスケジューリングの方法を用いて、かんばんを利用したロット生産ラインの運営方法を確立した。そして、この運営方法でロット生産ラインを運営した場合の稼動特性を明らかにした。実際のラインの稼動特性のイメージが分かるように、トヨタのプレスラインのデータを活用した。その結果、後工程の生産量の変動に対して、ロット生産ラインの生産開始時刻はあまり大きく変動しないので、安定的な生産ができることがわかった。また、計画生産方式と比較すると、安全在庫の平均は半分以下になることが数値実験によって確かめられた。 以上のように適切な定時不定量生産方式は生産変動が少なく、従って少ない安全在庫で運営できることが示された。
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