2010 Fiscal Year Annual Research Report
コラボラティブアプローチによる鉄道のダイヤ乱れ時支援アルゴリズムの研究
Project/Area Number |
21510156
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
富井 規雄 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (50426029)
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Keywords | 鉄道 / スケジューリング / エージェント / アルゴリズム / ダイヤ乱れ |
Research Abstract |
列車ダイヤに乱れが生じた時には,それを正常に戻すための一連の列車ダイヤの変更(運転整理)が行われる。現状では,運転整理はすべて人手で行なわれており,そのために,運転整理を自動的に行なうアルゴリズムが望まれている。しかし,これまでの研究には,(1)利用者の視点からの評価となっていない,(2)鉄道ネットワーク全体に対する考慮がなされていない,(3)車両や乗務員などリソースの条件が考慮されていないという問題がある。 これに対して,本年度は,次のような研究を行なった。 ・現実の長期間にわたる列車運行実績データを分析し,走行時分,停車時分等の確率分布を求めるシステムを作成した。 ・上記で求めた確率分布をもとにして,列車運行シミュレーションを行なるアルゴリズムを完成した。本アルゴリズムは,実績としての走行時分や停車時分を用いているため,従来の手法にくらべてはるかに現実に近い正確な予測を行なうことができる。 ・列車ダイヤを微細に改良して,ダイヤ乱れがなるべく伝播しない列車ダイヤとするアルゴリズムを構築し,実ダイヤに対してその有効性を検証した。 ・相互直通運転を行なっている2つの路線を対象とする運転整理アルゴリズムを開発するために,2つの会社の運行管理システムが遅延データ等を交換し,それから得た情報で今後の列車運行と利用者の不満足度を予測する仕組みを構築した。 ・上記の仕組みを用いて,相互直通運転を行っている線区を対象として,簡易なケースに対して,全体が最適になる運転整理案を求めるアルゴリズムを開発した。
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