2009 Fiscal Year Annual Research Report
家計のファイナンスのための多期間最適化モデルの研究
Project/Area Number |
21510158
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
枇々木 規雄 Keio University, 理工学部, 教授 (30245609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 潤一 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (10293078)
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Keywords | ファイナンシャル・プランニング / リタイアメント・プランニング / 多期間ポートフォリオ最適化 / 家計 / モンテカルロ・シミュレーション |
Research Abstract |
平成21年度は主に以下の2点を行った。 (1)退職時点までを対象とする片働き世帯モデルに対する集約モデルを構築・実装・分析 オリジナルモデル自体もより実践的になるようにモデルを見直した。それに対する2種類の集約モデルを構築した。プログラムを実装し、オリジナルモデルと集約モデルに対して数値分析を行い、集約モデルの計算時間の短縮効果とオリジナルモデルとの相違点について検討した。プログラムの実装や膨大な種類の計算に時間がかかったため、まだ結果の詳細な考察は終わっていない。しかし、集約モデルにより計算精度は落ちるが、高速にオリジナルモデルと似たような結果となり、期待した通りの結果が得られた。詳細は引き続き、平成22年度に行い、研究発表・論文投稿を目指している。 (2)長生きリスクを考慮したリタイアメント・プランニング・モデルの構築 公的年金、生活支出などキャッシュ・フローを精緻に計算し、パラメータを推定した。特に、主観的健康観によって生存率が異なるため、パネルデータに基づき計算した。これらのパラメータを含めてリスク資産、現金、私的年金、余剰消費を決定するモデルを構築・実装し、分析を行った。リタイアメント・プランニングに大きな影響を与える生存率に加えて、遺産動機も考慮し、柔軟で有用なモデルが構築できた。平成22年9月の日本FP学会にて発表を行い、論文を投稿する予定である。 (3)シミュレーション型最適化モデルの改善 構築したモデルにはまだ反映していないが、シミュレーション型最適化モデルの改善を行い、数値分析を行った。モデル構築にあたり基礎的な研究として行い、その研究成果を学会で発表した。 研究実施計画とは実施時期が少し異なるが、残りの2年間で残っているテーマを行い、実践的な家計のフィナンシャルプランニングモデルの構築を行う予定である。
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