2011 Fiscal Year Annual Research Report
記録系・採点系・格闘技系五輪競技の数学モデリングの研究
Project/Area Number |
21510159
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
廣津 信義 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (90360726)
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Keywords | 数学モデル / 陸上競技 / 体操 / 柔道 / 剣道 / スポーツ |
Research Abstract |
陸上・体操・柔道などで代表される記録系・芸術系・格闘技系競技については、映像解析や動作分析は進んでいるが、競技自体をシステムとして捉えて数学モデリングを試みた研究は少ない。本研究では、これら記録系・芸術系・格闘技系競技についても支援できるような数学モデルを構築することが目的である。以下、研究実施計画の項目ごとに今年度の実績概要をまとめた。 1.数学モデリング:昨年度までに選定した3つの競技(陸上競技、体操、柔剣道)の中で、今年度は陸上競技(リレー・駅伝)に特化して、具体的な数学モデルの作成を進めた。 2.データ取得・解析:陸上競技については、個々の選手のタイムの確率分布からチームとしての合計タイムの確率分布を算出する手法として、高速フーリエ変換を活用し、任意の確率分布にて合計タイムを評価できる数学モデルを作成した。また、箱根駅伝に関して、信頼性理論を応用して、予選通過やシード権獲得などを確率計算できる数学モデルを考案し、実データを用いて解析した。 3.競技現場への提言:陸上競技における分析については、本学陸上部部長や監督に提示することで、競技現場から意見を収集し、確率計算にあたって現実的なパラメータの設定を行った。昨年度実施した柔剣道へのAHPによる選手評価ならびに本年度での陸上競技の数学モデルによる評価の結果を現場指導者に提示することで、その有用性に関する検討を始めた。 4.成果まとめ・発表:研究成果については、原著ないしは特集記事として掲戴されるとともに学会発表も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
記録系・芸術系・格闘技系競技について、陸上(リレー・駅伝)・体操.柔剣道という競技を選定し、数学モデリングを進めており、陸上(リレー・駅伝)・柔剣道については、原著論文として既に掲載されるレベルにあるという点で、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
芸術系競技として体操を選定して、数学モデリングの準備を進めているものの、未だ原著論文として掲載できるレベルには至っていない。来年度は体操に重点を置き、研究を推進する予定である。具体的には、本学体操競技部と連携し、最近のポイント制度の変更を織り込んだ形で、数学モデリング、データ取得・解析、現場への提言を進めていく。
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