2011 Fiscal Year Annual Research Report
社会システムにおける最適化問題に対する数値解法の研究とその実装
Project/Area Number |
21510164
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
矢部 博 東京理科大学, 理学部, 教授 (90158056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 英穂 東京理科大学, 理学部, 准教授 (00231217)
成島 康史 福島工業高等専門学校, コミュニケーション情報学科, 助教 (70453842)
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Keywords | 非線形最適化 / 無制約最小化問題 / 制約条件付き最小化問題 / 半正定値計画法 / 2次錐相補性問題 / 共役勾配法 / 準ニュートン法 |
Research Abstract |
無制約最適化問題および制約付き最適化問題を解くための数値解法について、以下の通り研究した。研究成果の一部は日本OR学会、数値解析シンポジウム、研究集会(於京都大学数理解析研究所、政策研究大学院大学)等で発表した。また、研究結果が学術論文誌に掲載された。 1.無制約最適化問題に対する数値解法として、共役勾配法について研究した。アルゴリズムの収束性にとっては、降下方向を生成することが重要である。本研究ではHager and Zhangの研究に倣って、直線探索等によらず常に自動的に降下方向を生成する非線形共役勾配法の一般形を扱いその大域的収束性を証明した。またアルゴリズムの有効性を検証するために数値実験比較を行った。さらに、準ニュートン法についても研究を行い、スケーリングを組入れたセカント条件を扱い、非凸関数に対して大域的収束するような準ニュートン法を提案した。 2.2次錐制約条件や半正定値制約条件を含んだ問題に対する数値解法について研究した。一つ目として、半正定値制約条件付き非線形最小化問題に対する主双対内点法の新しいメリット関数を提案し、その大域的収束性について研究した。二つ目は、2次錐上の非線形相補性問題に対する平滑化ニュートン法を提案し、その大域的及び局所的な収束性について解析した。 3.制約条件付き非線形最小化問題に対する数値解法の研究として、昨年度に引き続き逐次2次制約2次計画法について研究した。2次制約2次計画部分問題を非厳密に解くテクニックに加えて、非単調直線探索を取り入れた解法について議論した。また、ペナルティ関数を用いない逐次2次計画法についても検討し、その収束性について解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非線形最適化問題に対して、新しい観点から数値解法を提案し、その収束性についてきちんと解析している。また、大規模問題に対する数値実験を通じてその有効性を検証している。ただし、実用的なソフトウエアの整備は今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、無制約最小化問題・制約条件付き最小化問題の数値解法について、新しい視点から解法を提案していくとともに、数学的な立場からその収束性について解析していく。さらに、数値実験を通してその有効性・実用性を検証していく。そして、現状を把握するために文献調査を行うとともに、必要に応じて国内外の学会の研究発表会やシンポジウムに出席して他大学・他機関の研究者と積極的に交流し、研究打ち合わせを行って意見交換をする予定である。
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