2009 Fiscal Year Annual Research Report
社会的合意形成のための科学技術コミュニケーションと参加型ゲーミングの融合
Project/Area Number |
21510166
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
菱山 玲子 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (70411030)
|
Keywords | サイエンススタディーズ / 分散協調教育システム / 社会システム / 安全システム / Network Computing |
Research Abstract |
高度な科学技術と社会の間に発生した問題に対するパブリックアクセプタンス(Public Acceptance)の手法開発は,科学コミュニケーション研究の中心的課題のひとつである.本研究を通じて,これらの問題をどのように社会に受容するか(或いは受容しないか)を考えるための公共空間を,インターネット上の広域参加型ゲーミングシミュレーションによって創出したい.参加者の体験を媒介として,ローカルナレッジをインターネット上で結集すべく,科学コミュニケーション空間を拡張すること,その社会的・技術的評価を行うことが,本研究の目的である. 21年度は,(1)基本的なゲーミングシミュレーションの実装及び実行環境の構築整備(2)ゲーミングのためのインタラクション記述言語のデザイン,の2つの研究項目を実施した.前者の研究項目では,本年度に整備した実行基盤上で地球温暖化問題,国際食糧問題に関するゲーミングツールの整備構築を行ない,実践の場からの課題のフィードバックを得ることを目的として,21年12月,被験者統制として大学生に参加者を絞ったサイエンスカフェを試行した.これにより,研究基盤の技術的性能と利用性能を確認することができた.後者の研究項目は,(1)の実験環境整備に併せて実施した課題であり,本研究が対象とする科学コミュニケーションのためのゲーミングのインタラクションの特質を分析する目的を果たした.本研究の特徴は,ゲーミングに統制のためのモデルを埋め込むことで参加者間のダイナミックな協調や競争を促し,参加者の集合知の抽出を導く点にある.従って,この統制に必要な関数を多く準備することで,ゲーミングで発揮されるべき機能を効果的かつ効率的に記述できるゲーミング記述言語を設計することができると考えられる,この記述言語の体系化は更に22年度に継続して研究を行い,基盤環境の改良に関連付ける計画である.
|
Research Products
(2 results)