2010 Fiscal Year Annual Research Report
社会的合意形成のための科学技術コミュニケーションと参加型ゲーミングの融合
Project/Area Number |
21510166
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
菱山 玲子 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (70411030)
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Keywords | サイエンススタディーズ / 分散協調教育システム / 社会システム / 安全システム / NetworkComPuting |
Research Abstract |
高度な科学技術と社会の間に発生した問題に対するパブリックアクセプタンス(Public Acceptance)の手法開発は,科学コミュニケーション研究の中心的課題のひとつである.本研究を通じて,これらの問題をどのように社会に受容するか(或いは受容しないか)を考えるための公共空間を,インターネット上の広域参加型ゲーミングシミュレーションによって創出したい.参加者の体験を媒介として,ローカルナレッジをインターネット上で結集すべく,科学コミュニケーション空間を拡張すること,その社会的・技術的評価を行うことが本研究の目的である.22年度は,(1)ゲーミングシミュレーション実行環境の整備改良(2)ゲーミングのためのインタラクション記述言語の実装,(3)サイエンスカフェを利用した多言語ゲーミングの展開による実践的評価,の3つの研究項目を実施した.昨年度整備した実行基盤上で地球温暖化問題,国際食糧問題,資源エネルギー問題に関するゲーミングツールの整備を図り,より多様なユーザの参加を実現するため,多言語によりゲーミングを行う基盤を整えると共に,実践の場からの課題のフィードバックを得ることを目的として,留学生を含む大学生対象の多言語サイエンスカフェを実施した.これにより,研究基盤の技術的性能と利用性能を確認すると共に,このログデータ分析からユーザ間のインタラクションモデルを抽出し,ゲーミングのためのコミュニケーション記述言語の実装を実施した.本研究の特徴は,ゲーミングに統制のためのモデルを埋め込むことで参加者間のダイナミックな協調や競争を促し,参加者の集合知の抽出を導く点にある,23年度は,このコミュニケーション記述言語の体系化と整備を進め,多様なユーザによるコミュニケーション空間実現のための参加者エージェント導入実験を行い,参加型ゲーミング基盤環境の充実を図る計画である.
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Research Products
(5 results)