2009 Fiscal Year Annual Research Report
知の融合を活性化させるものづくりマネジメントの研究
Project/Area Number |
21510168
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
能勢 豊一 Osaka Institute of Technology, 工学部, 教授 (70097989)
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Keywords | マネジメント / 経営学 / 複数企業共同生産システム / 感性情報学 / システム工学 / 情報システム / テクノロジー / エンジニアリング |
Research Abstract |
今日のものづくりに求められている革新と改善は,個人や組織のスキルを活かし切り,その知を活用・融合した仕組み作りが課題となっています.かつてのものづくりは,現場の職人による暗黙知に頼ったものでしたが,工業技術,情報技術をはじめとするテクノロジーの導入は形式知によるシステム化を推し進めました.特に,「システム」「ソフトウエア」に強く依存した情報化の進展はものづくりにおいてブラックボックス化を進展させてきました.その結果,一を聞いて十を知る感覚を有する現場のスキルは急速に失われてきました.木村英紀著「ものつくり敗戦」のくだりに「ソフトウエア業界の人々から自嘲をこめてよく聞かれるのが,マネジメントが苦手ということである」とあります.あらゆる組織は,システム化・ブラックボックス化した途端,陳腐化が始まるといわれます.その傾向はプロジェクト規模が大きくなるほど深刻になっています.それゆえにこれからのものづくりシステムには,そのような陳腐化リスクを回避し,環境変化に速やかな適応ができる新陳代謝機能,すなわち人材育成をベースにしたマネジメントプロセスの構築が不可欠といえます. 本研究課題の知の融合を活性化させるものづくりマネジメントは,(1)テクノロジー,(2)エンジニアリング,(3)マネジメントの3つの因子により合成される3次元の空間で定義されます.テクノロジーは,編み出された技術であり,staticな存在の「経営資源」のような現場力です.エンジニアリングは,それらを編み出す技術であり,ものづくり力です.従来の改善活動はこの両者によって構成される「場」において行われてまいりました.しかし,これからのものづくりマネジメントに求められる技術は,(1)テクノロジーと(2)エンジニアリングの両者を使いこなす技術であり,人や組織づくりを中心とした価値を生むdynamicなスキルのマネジメント,すなわち進化力となるコンセプトを提唱しました.
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Research Products
(12 results)