2011 Fiscal Year Annual Research Report
知の融合を活性化させるものづくりマネジメントの研究
Project/Area Number |
21510168
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
能勢 豊一 大阪工業大学, 工学部, 教授 (70097989)
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Keywords | ものづくり / コトつくり / アーキテクチャ / ワークデザイン / ビジョンづくり / ミッションづくり / パッションづくり |
Research Abstract |
本研究課題の目的は,日本的経営の強みとされてきた現場のカイゼンと,グローバル経営において求められるイノベーションという両極の活動を融合するコンセプトと方法論を確立し,実証することであった.本年度はそのためにこれからのものづくりのありたい姿として,カイゼン活動とイノベーション活動をハイブリッド的に結合・融合するコンセプトを「サービス科学」の観点から日本情報経営学会誌Vol.31No.2, pp. 42~53「知の融合を活性化させるマネジメントシステム」において提案を行った.そこでは,工場とオフィスにおける生産性向上を図るために,1.イノベーションによる規模の拡大,2.設備を中心としたものづくりの標準化に代わる情報を中心としたコトつくりの標準化とプロセス発見,3.カイゼンによる密度の増大,という3つの視点について明らかにしている。 さらに本年度の研究目的は,食品産業において「安全」を保障するテクノロジーとエンジニアリング,「安心」を保障するマネジメントの融合に関するものであった.それについては,日本経営システム学会第47回全国研究発表大会にて「RFIDを考慮した食品在庫管理とSCMに関する研究」と題して,スーパーマーケットにおける賞味期限の情報システム化をRFIDにて実現させる展望を発表した.それによってRFIDのテクノロジー,賞味期限を手持ち在庫量とその残り寿命の2元管理するエンジニアリング,価格と需要量の弾力性を考慮した利益計画を立案するマネジメントの3軸を融合する戦略のビジョンの融合効果を示すことができた. また,知の融合にとって重要な「ビジョン」と「パッション」という暗黙知、埋没知の把握方法,さらにその2つを結びつける「ミッション」という形式知化の方法についても示すことができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定であった海外の研究者との研究成果に関する情報共有は十分な時間を確保することができなかったものの,研究課題に関して日本セキュリティ・マネジメント学会,日本経営システム学会において,口頭発表だけに留まらず,各学会で共著出版することができた.また,横幹連合において専門外の分野にも本研究課題の重要性を2件の発表を通じて示すことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題についての今後の推進方策は,2015年に向けた日本企業のグローバル化と海外戦略立案に寄与すること,ならびに新しいものづくり,あるいはコトつくりに貢献する論理思考を初等・中等教育に対して普及させることを提案する活動につなげることを目指したい.すなわち,技術,工学を中心とした帰納的論理と経営を中心とした演繹的論理を融合させる発想の教育とシミュレーションについて盛り込んだ報告書にまとめたいと考えている.
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Research Products
(21 results)