2011 Fiscal Year Annual Research Report
デジタル・コミュニティガバナンスの形成と発展に関する研究
Project/Area Number |
21510169
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
金川 幸司 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (00341470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新川 達郎 同志社大学, 大学院・総合政策科学研究科, 教授 (30198410)
今里 滋 同志社大学, 大学院・総合政策科学研究科, 教授 (30168512)
森 亮 北九州市立大学, 法学部, 准教授 (00382408)
田中 みさ子 大阪産業大学, 人間環境学部, 准教授 (30340615)
東郷 寛 近畿大学, 経営学部, 准教授 (10469249)
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Keywords | ソーシャル・キャピタル / 情報マウル / デジタル・ネイティブ / リアル・コミュニティ / 地域SNS / 地縁組織 / デジタル・デバイド / 再帰的関係性 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き、全国の自治会レベルでの活動と情報化との関係、全国自治体での地域情報化の調査、大学生に対するデジタル・コミュニティガバナンスに関する意識調査、韓国における情報化事例等を検討し、メンバー間でディスカッションを行い、以下の研究総括を行った。 1 全国の自治会における情報化事例が検証され、コミュニティガバナンスの質とICTとの直接の関係は限界があるのではないかという結論が得られた。 2 2001年から全国のコミュニティ単位で推進されている、韓国の「情報マウル事業」を検証し、ITを活用して新しい所得をもたらしている点、そしてコミュニティの活性化に寄与したという点は評価されながらも、地方が主体になって推進すべき地域情報化事業が国主導で行われているという限界が示された。日本との違いとして、国民総背番号制との関係、政治風土、国民性との関係が論点となることが示された。 3 U市における情報化実践事例を元に、地域情報化の進展は、地域社会の再構築と密接に関係しており、ICTの技術的特性だけではなく、情報化実践を通じた「意図せざる結果」を契機とした反省的実践によって促進されるという点が示された。 4 ICTがソーシャル・キャピタルに与える影響については、先行研究があるが、個人ベースのものであり、集合財ととらえて地域単位で分析する研究は十分ではなく、今後、政府統計や既存の調査データが充実してくれば分析の可能性が出てくることが示された。 5 デジタル・コミュニティの質について、情報の量や速度よりもむしろ、物事の決め方の問題の方が大きく、デジタル化を通じて参加者の範囲や行動様式がどのように変化するのかどうかを含めてガバナンスの働き方を議論する必要があることが示された。
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Research Products
(26 results)