2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21510175
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
諸葛 宗男 東京大学, 大学院・公共政策学連携研究部, 特任教授 (00535049)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城山 英明 東京大学, 大学院・公共政策学連携研究部, 教授 (40216205)
交告 尚史 東京大学, 大学院・公共政策学連携研究部, 教授 (40178207)
寿楽 浩太 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任助教 (50513024)
|
Keywords | 規制体制 / 利益相反 / 放射線防護 / 立地自治体 / 説明責任 / コミュニケーション / 放射線モニタリング |
Research Abstract |
本年度は昨年度に取り纏めた中間報告書で整理した原子力法制システムの課題と改善方向をさらに深耕して改善の提言案の検討を進めた。その成果を2010年7月27日、原子力学会「原子力法制検討会」において報告した他、同年8月25日、東大鉄門講堂で開催した東大原子力法制研究会主催のシンポジウム「原子力法制システムの改革に向けて」において発表した。主要な研究成果の一つは安全規制体制の独立性強化と分散している安全規制組織の整理統合を提言したことである。現在の安全規制の行政組織が推進行政と同居し利益相反状態にあることを解消すること、原子力安全委員会と規制行政組織、さらには規制支援組織、さらには事業規制と放射線防護規制を統合して規制組織の専門性を高め、また、原子力安全規制の数少ない人的リソースの有効利用を図って、さらなる安全性向上を目指すべきことを提案した。 もうひとつの主要な研究成果は原子力発電所の立地自治体と国との関係に関する提言である。国の説明責任を強化するとともに、自治体と国が直接コミュニケーションの場を持つ仕組みを構築することを提言した。具体的にはフランスのように国と自治体及び地域のオピニオンリーダーが参加する会議体を作る案や自治体に国の委託事務として施設周辺の放射線モニタリングを委託する方式等を提案した。モニタリング方式は、それが住民の安心を得る最も確実なツールであること、また、自治体にとって事業者を介さず、直接、国との情報交換の場が得られる点が有意義であるとした。
|
Research Products
(8 results)