2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21510175
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
諸葛 宗男 東京大学, 大学院・公共政策学連携研究部, 特任教授 (00535049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城山 英明 東京大学, 大学院・公共政策学連携研究部, 教授 (40216205)
交告 尚史 東京大学, 大学院・公共政策学連携研究部, 教授 (40178207)
寿楽 浩太 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任助教 (50513024)
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Keywords | 原子力安全法システム / 福島第一事故 / 安全対策 / 専門性 / 国際的ハーモナイゼーション / 透明性 / 放射線規制 / 複合災害 |
Research Abstract |
本年度は、2011年3月11日に起きた東京電力福島第一原子力発電所事故の収拾過程で露呈した原子力安全法システムの問題点の抽出作業を実施した。主な問題点は以下の通りである。(カッコ内は本研究項目との関係を示す。) (1)政府、事業者とも事態を掌握できなかった(規制の品質向上) (2)政府に司令塔機能が欠如していた(法システムの制度設計) (3)原子力に関する専門性が欠如していた(規制の品質向上) (4)事故発生時の政府と事業者の責任の線引きが曖昧だった(法システムの制度設計) (5)パッチワーク的安全対策に安住し、体系化が不備(規制の品質向上) (6)国際的ハーモナイゼーションが欠如していた(規制の品質向上) (7)事故収拾過程における政府の重要情報の透明性が欠如していた(規制の品質向上) (8)緊急時の放射線安全規制に対する備えがなかった(法システムの制度設計) (9)複数基の事故が重畳する場合の備えがなかった(規制の品質向上) (10)複合災害を想定した防災対策の備えがなかった(規制の品質向上) 前年度までの研究成果にこれらの問題点の改善策を盛り込み、(1)原子力安全規制体制についての提言、(2)原子力発電所の安全規制手続きの国際ハーモナイゼーション、(3)安全性向上に向けた具体的施策、(4)専門性向上に向けた具体的施策、(5)原子力規制行政の透明性向上の5項目に分類して原子力法制研究会の最終報告書として纏める予定である。 これまでの研究成果の相当部分が、現在進められている政府の規制改革に盛り込まれているが、上記の追加項目の大半は未反映である。
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Research Products
(7 results)