2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21510176
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
三宅 哲夫 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60239366)
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Keywords | 運転集中度 / 安全運転 / 視線計測 / 注視 / 画像処理 |
Research Abstract |
昨年度の成果を踏まえ、運転集中度の評価システムを構成する3個のサブシステムの開発を進めた。 課題1;車両前方画像処理 取得したRGBカラー画像を、抽出対象の色特性を最適に表現する色空間へ変換した後、物体の抽出処理を行うことで、晴天下以外の曇天あるいは薄暮における物体抽出を可能にした。また、道路標識上の文字の大きさや道路上の車線の白線数を基にして自車両から標識や先行車両までの距離を推定し、物体の種類、距離、さらにはヒトの視覚特性を考慮して複数個の注視対象候補に対して注視順位付けを行うアルゴリズムを構築した。 課題2;ドライバ視線計測 次の2点について、大幅にプログラムを改良した。 1)光環境に影響されずに安定して黒目抽出が行えるように、顔画像の2値化処理方法を改良した。 2)顔の特徴点を安定して抽出できるようにAAM(Active Appearance Model)アルゴリズムを採用した。 この結果、光環境が急激に変動する高架橋下通過中、あるいは顔の回転移動後等で顔の検出に失敗して視線計測が不安定となる頻度が大幅に減少した。また近赤外光照明による、夜間を想定した視線計測について検討をはじめた。 課題3;運転集中度評価 実車実験を行う予定でシリコンディスク搭載のPCを導入する等、準備を進めたが、安全管理上の問題および実験再現性の観点から、今年度はドライビングシミュレータ(DS)環境での実験に留めた。注視行動の妥当性評価アルゴリズムには、運転負荷に相当する走行環境変数を新たに導入した。長時間継続して行なった実験では、DS操作者に暗算を含む発話タスクを与えた時間帯において運転集中度が低下する結果が得られており、次年度以降、評価手法の有効性等に関する詳細な検証を行う。 今年度の研究成果として、国際会議で2報および国内学会で6報を報告した。
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