2010 Fiscal Year Annual Research Report
沿岸都市における津波複合災害の時系列的危険度評価に関する研究
Project/Area Number |
21510194
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
米山 望 京都大学, 防災研究所, 准教授 (90371492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 圭一 京都大学, 防災研究所, 教授 (70273521)
牛島 省 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (70324655)
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Keywords | 水災害 / 津波氾濫 / 漂流物 / フラップゲート式可動防波堤 / 河川遡上津波 |
Research Abstract |
本年度は、津波複合災害予測モデルの開発整備および適用を行った。得られた成果は以下のとおり。 A. 津波複合災害予測モデルの開発整備 (1) 水質挙動解析モデルの導入 昨年度に引き続き、水質挙動解析モデルの導入を行い、今年度は実河川での解析が適切に行えるように上流端および下流端の水質境界条件に数値解析上の工夫を行った。 (2) 解析モデルの検証 昨年度開発した、漂流物解析モデルの検証を行うため、フラップゲート式可動津波防波堤の挙動の再現を試みた。実際の漂流物を検証対象とした場合、動きの自由度が高いため実験の再現性が低いことが問題であったため、一軸が固定されているフラップゲート式可動津波防波堤を対象とした実験を用いて解析精度を検証した。その結果、本研究の解析手法は、津波と同時に起き上がり、防波堤の役目を果たすフラップゲートの挙動を適切に再現し、フラップゲートの回転角度や前後の水位時間変化の解析結果は実験結果とほぼ一致したため、妥当性は検証された。 B. 津波複合災害予測モデルの適用 (1) 淀川における津波遡上現象への適用 水質挙動解析モデルの導入効果を検証するため、淀川を遡上する津波および塩水挙動について適用した結果、津波の規模によっては、淀川河口から10kmに位置する淀川大堰を津波が越流して、大堰上流側の塩分濃度が急上昇することが分かった。津波の規模や河川流量を変化させた解析を行った結果、開発したモデルは水質挙動を定性的に妥当に解析できることが分かった。 (2) フラップゲート式可動津波防波堤の現地挙動予測への適用 本モデルの検証のため、上記A(2)のフラップゲート式可動津波防波堤を過去に大災害が発生した北海道南西沖地震津波の被災地(奥尻島藻内地区)に設置した解析を行った。実際に現地を襲った津波波形を入力した結果、フラップゲート式可動津波防波堤が適切に作動し、津波を防御できる可能性が示された。
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Research Products
(6 results)