2009 Fiscal Year Annual Research Report
超過外力としての津波・高波による浸水と構造物被害の合理的予測法の研究
Project/Area Number |
21510197
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
山本 吉道 Tokai University, 工学部, 教授 (70366087)
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Keywords | 高波被害 / 津波被害 / 海岸災害の予測 / 海岸被害の軽減 / 避難計画 / ハザードマップ / 海岸堤防・護岸の破壊限界 / 津波による家屋の破壊限界 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高波や津波による災害軽減のために、起こりうる被害を効率的に予測し、実用的な避難計画やハザードマップの作成に資することであり、本年度の実施内容と成果は以下の通りである。 1、海岸堤防・護岸の破堤限界: (1)高波に対する海岸堤防・護岸の主たる破壊機構は前面洗掘に続く堤体内からの吸出しによることから、これの判別式を昨年度海岸工学論文集で発表したが、二次元造波水槽での粒径を変えた洗掘・吸出し実験を追加実施して、粒径の違いを考慮した吸出し発生の判別式を考案した。未知数である過剰間隙水圧P_<ob>の式は、 (P_<ob>)/(ρ_wgH)=(1.01-0.010D/(D_<0.2>))tanh(0.03H/(d)) のようになり、ρ_wは水の密度、Hは前面の入射波高、Dは裏込材の粒径、D_0.2は基準粒径0.2mm、dは前面砂層厚さである。拡充した前面洗掘算定図と共に、英語ジャーナルへ投稿準備中である。 (2)津波に対しては、戻流れによる洗掘が盲点になるため、これに関する途中経過を昨年度海岸工学論文集で発表したが、拡充した戻流れ実験装置を用いて各種洗掘実験を追加実施し、粒径・護岸高低差、前面水深を考慮した洗掘量算定式群を考案した。広域洗掘の平面二次元数値予測モデルと共に、6月のISOPEの国際会議で発表予定である。さらに、最新成果のジャーナル投稿の準備中である。 2、津波による陸側家屋の破壊限界: 過去のタイ国、スリランカでの現地被害調査に加えて、北海道南西沖地震津波による家屋被害ヒアリング調査を北海道大成海岸で実施した。鉄筋コンクリートビルディング、木造家屋、および、コンクリートブロック壁の被害発生限界寸法を予測できる算定図を作成し、先の被災実態データを用いて検証した。広域浸水の平面二次元数値予測モデルと共に、国内外ジャーナルへ投稿中である。
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