2011 Fiscal Year Annual Research Report
モデル作物マイクロトム系統の遺伝子破壊株整備と重要形質発現に必要な遺伝子の探索
Project/Area Number |
21510208
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
溝口 剛 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (70281623)
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Keywords | 遺伝学 / 植物 / 発生・分化 |
Research Abstract |
21~22年度の2年間で、矮性トマト系統(Micro-Tom)を用いて、アグロバクテリウム法によりT-DNA挿入株を作出し、T-DNA挿入位置の確認と変異形質の解析を行うことを計画した。 作出された系統から順次、さまざまな光周期条件下や光強度のもとで栽培試験を実施した。現在までに作出した系統の中に、(1)花器官のかわりに葉を作る変異形質、(2)茎表面の突起状構造の長さが短縮された変異形質、(3)つぼみのサイズが縮小した変異形質、(4)斑入り形質等を有する系統を確認した。 特に、(1)の変異形質に関しては、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の花成抑制遺伝子SHORT VEGETATIVE PHASE(SVP)を矮性トマト系統(Micro-Tom)で過剰発現することで類似の形質があらわれることがわかっている。SVPはMADS box型の転写制御因子であり、シロイヌナズナの概日時計遺伝子LATE ELONGATED HYPOCOTYL (LHY)やCIRCADIAN CLOCK ASSOCIATED 1 (CCA1)による花成制御や、器官伸長制御において重要な役割を果たしていることが我々の研究により明らかになっている。そこで、シロイヌナズナのLHYを矮性トマト系統(Micro-Tom)で過剰発現し、花器官や葉器官の形成に及ぼすその効果を検討中である。 トマトにおける花器官/葉器官の分化・維持のメカニズム理解に役立てたい。
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