2009 Fiscal Year Annual Research Report
統合ゲノム解析による植物病害抵抗性反応のシステム応答制御機構の解明
Project/Area Number |
21510210
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
岩城 俊雄 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 講師 (20295728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 大策 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (10305659)
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Keywords | メタボロミクス / 病害抵抗性 / リグニン / 二次代謝 / LC-MS |
Research Abstract |
本研究では,新たな耐病性育種戦略に貢献することを目指し,ナス科植物栽培に多大な被害を与えている青枯病菌(Ralstonia solanacearum)の非親和性菌株の感染によって見られる植物葉の葉脈成長の停止と導管部分の特異的木化についての分子メカニズムをメタボロミクスによる代謝産物動態解析によって解明することを目的として研究を行った.特に,伸長停止に関わる木化誘導にともなう病態リグニンの生合成をになうケイ皮酸モノリグノール合成経路の解明に焦点をあてて解析をすすめた.青枯病原菌感染実験には,ナスに対して病原性および非病原性のR. solanacearum株およびそのコントロールとして、hrp遺伝子を欠損させた株を用いた.播種後約3週目の台木用ナス本葉に対して感染させた.非病原性菌株を植物葉先端部に感染させたところ,葉脈の伸長が抑制された.病原性菌株およびhrp欠損株ではこのような現象は観察されなかった.病害抵抗性とこの葉脈伸長停止の関係を明らかにするため,以下の実験を進めた非病原性菌株感染時に特異的に見られる導管部分の伸長停止部位の蛍光顕微鏡観察によって導管周辺に蛍光物質の部位特異的蓄積が見られた.さらに,病原性および非病原性菌株感染葉について葉脈部位を切り出し,それらのメタノール抽出物についてLC-ESI-TOF/MS分析に供し,マススペクトルを比較した.違いの見られたピークについて,構造決定を進めている.
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