2010 Fiscal Year Annual Research Report
統合ゲノム解析による植物病害抵抗性反応のシステム応答制御機構の解明
Project/Area Number |
21510210
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
岩城 俊雄 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (20295728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 大策 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (10305659)
小川 拓水 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (00580367)
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Keywords | メタボロミクス / 病害抵抗性 / リグニン / 二次代謝 / LC-MS |
Research Abstract |
本研究では,新たな耐病性育種戦略に貢献することを目指し,ナス科植物栽培に多大な被害を与えている青枯病菌(Ralstonia solanacearum)の非親和性菌株の感染によって見られる植物葉の葉脈成長の停止と導管部分の特異的木化についての分子メカニズムをメタボロミクスによる代謝産物動態解析によって解明することを目的として研究を行った.青枯病原菌感染実験には,ナスに対して病原性および非病原性のR.solanacearum株およびそのコントロールとして、hrp遺伝子を欠損させた株を用いた.本研究期間では病害抵抗性と接種菌株の関係について2つの異なる抵抗性反応について着目した.一つ目は,hrp欠損株感染において,菌体増殖を阻害する抗菌性物質の蓄積を示す現象が得られたので,この物質についてペーパーディスク法によって活性を評価した.さらに,TLC精製画分についてLC-MSによる構造解析を行っているこのような抗菌性物質はナス科植物においての報告は非常に少なく,病害抵抗性品種作出の有力なツールとなることが期待できる.2つ目は,非病原性菌株における感染葉葉脈部分の伸長停止反応について,感染部位に特異的に蓄積する蛍光物質を確認した.現在,精製および構造推定を進めている.ナス植物体において,抗菌性物質による抵抗性反応と,葉脈部分に感染時特異的に蓄積する物質による病原性菌体の移動抑制による抵抗性という,2つの抵抗性反応が明らかになった.今後その詳細を明らかにしていく.
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Research Products
(2 results)